第24話

遥斗さんは毎回椿の間に来て私を抱え上げて若様の部屋へ行く。


そこにはいつも若様と双子がいる。


「救急箱持ってきてあるよー」


「凛寧」


遥斗さんの腕の中から顔を上げる。


「…来い」


若様が私に手を差し出す。


「若様、」


「おい」


「………輝夜」


若様、鈴峯 輝夜すずみね ひかるは私の実の兄。


輝夜は、仕事以外で私が若様と呼ぶことを嫌う。

血が繋がっているのに、呼び方のせいで距離を感じるのが嫌らしい。


どんだけ細かいんだって話だ。

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