第10話

「利人と藍人が捕らえた。ありがとう、月花」


「お気をつけ〜」


ヒラヒラと手を振る月花の元を後にし、私と遥斗さんは早足にホールへ戻った。


「遥斗さんは若様に付いてください。私一人で大丈夫です」


「それは無理かなぁ?俺も付いてくから」


絶対に私一人での行動を許してくれない遥斗さん。

今はそんなことを気にしている場合ではないので、司会者を探すのに専念した。


「……………いた」


「ちょ、凛寧!」


人混みに紛れて司会者に詰め寄る。

司会者は呑気にワインに口を付けている。

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