第5話

面倒くさい用事が増えたと思い、ため息をつくと、


「探しても見つかんないわけだ」


利人がスっと目を細めて言った


「利人、藍人、あの2人捕らえてきて」


「「あいーっす」」


双子が向かったのを確認し、私は再び中へ戻った。




カツカツカツカツ…


ホールの中はごった返しているのに、私の耳にはヒールの音しか聞こえない。


ざっと中を見回しながら若様を探す。

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