第10話

「えっ!?なんで!?なんでここに凛寧がっ!」


「それは私にもわからない。だけど、」



さらに、ズームされていく画像。


そこには目を逸らしたくなる光景が。



「首…輪、」


「…」


「は…?なにこれ…え?待ってよ、これ、」



まるで、奴隷の象徴のような首輪を嵌められている凛寧の写真が、画面に映っていた。



「り、凛寧…っりねぇっ…」



ボロボロと流れる涙。

この2年、どんな思いで過ごしているんだ。


「とにかく、私たちがやることは早急な救出よ」


「っ、うん」


「ヨル、この画像見てなにか思うところある?」


「…凛寧が大人しく従ってることくらいか」


「それは私たちが人質になってると考えるのが妥当ね」



人質…


俺たちを守るために、凛寧は自分を犠牲にしていると…?



拳を握る力が強くなり、皮膚に爪が食い込む。


許せない。

例え奴らを抹消しても、この怒りが消えることはないだろう。



「殺してやる…」


「無謀に踏み込んだら殺られるのはこっちだけどね」


「…策を練らないと、っ」


「あまり時間はかけられない」



輝夜さんの発言に俺と月花さんは頷く。

凛寧の命が安全だと決まった訳では無い。


もしかしたら、殺されるかもしれない。

そんな危険な場に長々と置いておけるわけが無い。

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