第32話
「じゃあさ、俺のお願いも一個聞いてよ」
「なんですか?」
「セフレってセックスフレンドのことでしょ?」
「はぁ」
「前の男とはフレンドの部分が全然なかったみたいだけど、俺とは友達だけどセックスするって関係になってよ」
「……友達ですか?」
「そう、友達。ダメ?」
「それって遊びに行ったりするんですか?」
「んー、そういうのはしなくて良いんだけど。俺も、俺の部屋以外では会いたくないし。もうちょっとお互いの事を知るのに会話するとか、部屋でデリバリー頼んで食事するとか」
奈々ちゃんの部屋でもいいけど、事故物件なんて気味悪そうだから遠慮したい。
「………それって、恋人と部屋で過ごすみたいじゃないですか?」
怪訝な表情でそう聞かれると、この子はセックス以上の事は共有したくないのだろうと簡単に察しがついた。
「ちがうよ。恋人だと恋愛感情あるでしょ?そこにはないから」
「そっか。そう言われてみればそうですね。じゃあ、それでオッケーです」
納得したのか、なぜか快く同調してくれた。
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