第21話

いやー、これはないだろ。








なんつーか、“魅力的”っつー言葉がピッタリだ。





よっちゃんが騙されても仕方ねえじゃん。









「よっちゃんとどんな関係?」



「え?私ですか?」






今度は、ハトが豆鉄砲を喰らったような表情で俺を見た。



気付かれるかな?


気付かれるよな。




さすがに店内ではマスクもしていないし、顔も分かるだろう。






「そう奈々ちゃん」







俺が名前をそう呼べば、今度はなぜか申し訳なさそうな表情を浮かべる。







取り繕うなんて言葉なんて知らないように、表情が子供みたいにクルクル変わる。






「……会った事ありましたっけ?」



「ないよ。さっき、よっちゃんに奈々ちゃんって言われてたじゃん。だから知ってるだけ」



「あっ、そうですよね」







納得したのか、今度はホッとしたように小さく微笑んだ。

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