第19話
「悪い悪い。アヤ、次何飲む?」
「あー、全然気にしないでいいから。じゃあ、同じの」
いや、本心はすっごい気にして欲しいですけど?
俺も、その楽しそうな会話に参加したくてたまんねえけどね!
そんな恥ずかしい事、口が裂けても言えねえし。
芸能人が立ち寄るバーって事で、基本的にここのバーでは一般人がいる時はみんなで会話なんてしない。
みんなで話す時は、みんなが業界人の時だけだ。
よっちゃんは、10秒もしないで新しいビールを目の前に出してくれた。
そして、俺は代わり映えなくスマホに視線を落とす。
着拒ってどうやるんだっけ?と、操作が分からずにGiigleを開き、着信拒否の方法を調べていると、よっちゃんから再び声が掛けられた。
「アヤ、腹減ってる?」
「え?ここってメシ出るの?」
今まで、ここに来てメシなんて出してもらった事もない。他の客が出されているところを目撃した事もない。
「出さないよ。でも、今夜は特別。すっげえ美味いから」
ニコリと嬉しそうにそう言うから、食べてみたくなる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます