第18話

「んーあの部屋に?そうなったら俺んちで食べようよ。つーか、奈々ちゃん引越さないの?」






どうやら、家に気軽に呼ぶ仲らしい。






「住んでるよ。案外大丈夫だよ」



「でもな…。そりゃヤローだったら何でもいいけど、女の子があそこじゃ……ちょっとなぁ」







どうやら、女が住むにはいただけない部屋に住んでいるらしい。









「この辺で、あの値段のマンションって中々ないんだよ。事故物件だけど、フルリフォームしてくれてるからすごい綺麗だし」






どうやら、この辺に住んでいて、まさかの事故物件に住んでるらしい。








まじですか……。





聞けば聞くほど意味分かんねぇ。






つーか、すげえ突っ込みてえ。会話に参戦してえ。








「それに、あんまり人も住んでないから音も気にせずにいいし、すっごい理想的なんだよね」









そりゃ、誰も好んで事故物件なんて住みたくないだろう。










ここまでの事で分かった事。



名前は奈々ちゃん。ここら辺の事故物件に飄々と住んでいるらしい。









「っていうか、仁志くん、お客さん飲み物無くなってるよ」








そう言って、視界の端で彼女が俺のビールに視線を向けているのが入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る