第12話

「違うから。許すとか許さないの話じゃないから。枕したって聞いて、どうでも良かったんだよ。怒りもなければ、ふーんって感じで。」



「そんなっ…。じゃあ、全然嫌じゃなかったってこと?それならっ!これからもこのまま付き合ってよ」



「違うよ。気持ちがないのに気付いたからこれ以上は無理でしょ」








言いながら、次の角を右だなと確認をする。







なんで、街灯は白いんだろう?オレンジ色にするだけで一気に街の雰囲気が良くなりそうなものなのに。





別れ話をしているにも関わらず、関係のない事に気を取られる。








「…そんなの、無理だよ。別れるなんて出来ないっ。お願いだからもう一回会ってちゃんと話そうよ」



「俺はもう付き合う気はないから。それに無意味な事に時間を使うほど暇じゃないの知ってるでしょ?」



「じゃあ、付き合わなくていいからっ。好きになってなんて言わないから。だからっ…だからっ……今までより少なくてもいいから会って欲しいよ。お願いだから……」








いつの間にか涙声は嗚咽に溢れているのに、どこだか他人事の様な錯覚さえ覚える。








「なにそれ。セフレになるってこと?」



「……アヤがそう言うならそれでもいい」



「セフレ、ねぇ」

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