第6話
何となく、柴田さんをチラリと見れば同じように俺をチラリと見た柴田さんとガッチリと視線がぶつかり合った。
そして、二人同時に小さく頷いた。
………柴田さんもか。
「でもっ、今日だって俺とのデートだと思ったからそんなに着飾って来てくれたんだろ?」
すげえ、まだ食い下がるのか。
ハート強いな。
「違うから。お店に合った服を着てきただけ」
そして、この女も清々しいほど容赦がない。
「お前がいないと本当に無理なんだよ。結婚をしたくないって言うならしなくてもいいから。だから、いつもみたいに笑ってよ。ね?」
懇願する男の声に、何とも言えない感情が沸々と込み上げてくる。
まじで、見ず知らずの男だけど一杯奢ってやりたくなってきた。
「無理。もう、会わない」
………まじっすか。
プロポーズの拒否だけでなく、別れ話まで。
しかも!こんな俺の真後ろで!!
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