第45話

「─…ブレへんなぁお前。まぁ形はブッサイクやけど味は今日も世界一やな。」




なんて…佑弥くんは私を沼から逃さないとでも言うように、巧妙な話術で私を縛り付ける





──…だけど、




『……何か、あったんだよね?どうしたの?』





やっぱり今日の佑弥くんは少しおかしい。いつもならもっと攻撃的だし、意地悪なことを沢山言ってくる。






「………なんなん?理由なく、会いに来たらあかんの?二ヶ月会ってへんねんで?お前が寂しがってんちゃうか思て来たったのに…うっといことばっか言うなや」





『……嘘、ついてる。佑弥くんは嘘をつくと…早口になるからっ、』





「黙れやっ…分かったこと、言うな。お前と喋ってたら腹立ってくる」




『佑弥くんっ…どうしたの…?大丈夫だよ、私…居なくなったりしないからっ、』






───居なくなったり、しない





その言葉が引き金になったのか─…佑弥くんは私の腕を掴んで寝室まで足を運ぶと、ベットに放り投げるようにして私のことを押し倒す





「黙れって…言うたよな?─…莉久。いらんこと言うんやめぇや。」





『要らない…ことじゃない、必要なことだよ。ちゃんと話し合いたい…何かあったなら力になりたいっ』






─…力になりたい、っと言った私を佑弥くんは上から見下ろしながらバカにするように笑った

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