第40話
『─…え、待って…佑弥くんっ!』
私が佑弥くんの元へ駆け寄ろうとした途端、彼は背を向けて歩き出してしまった
走って会社を出て、早足で歩く佑弥くんを追いかける
『う、佑弥くんっ…まって、』
全力で走って、追いついた先に居た佑弥くんの腕を力強く掴んだ
「─…触んなっ、」
っと、強く振り払われてしまったが…そんなことは慣れっこなので再び佑弥くんの腕を掴む
「なんやねん、向こう行けやっ…」
『行くわけないっ!佑弥くんが目の前に居るのにっ…どこにも、行けるわけないじゃん!』
「よう言うわ。こんな遅まで…さっきの男と一緒やったんやろ?この後どっか行く予定やったんちゃうん?戻れや…俺も帰るしっ、」
『なんでっ…?佑弥くん、私に会いに来てくれたんじゃないの?待っててくれたんじゃ…ないの?』
11月─…
夜の東京は…冷える。現に掴んだ佑弥くんのスーツがヒンヤリと冷たいのが、かなりの時間佑弥くんが外にいたことを知らせてくれる
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