第31話

「ほな、また明日も来るわ…ごちそうさん」





そう言って出ていこうとした彼に、





『っあ…あのっ!良かったらこれ…使ってください』






傘を手渡すと─…




「あぁ…せやな、雨降っとったんや。ありがとう、明日返すわ」





最後…ニカッと笑って出ていってしまった彼





名前も年齢も何をしている人なのかも知らない






だけど──…





『明日、また会えたらいいなっ、』






少しオシャレをして来よう…なんて、初めて会ったこの瞬間から私は既に、佑弥くんに恋をしていたに違いない

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