第29話

『っあ…すみません、私…料理出来なくてっ』




お味噌汁は両親が作ったあまりを注いだので美味しいと思う。うん、ご飯とお味噌汁だけ食べて帰ってもらおう






「いただきまーす」





なんの迷いもなく私の作った卵焼きを食べてくれた彼は─…






「なにこれっ、めっちゃ美味いやんっ!秘伝の味付け?!フツーに美味いなんぼでも食える」





っと、余程お腹が空いていたのか…私の作った不格好な卵焼きをとても美味しそうに食べてくれた






「アンタ、料理上手いんやなぁ…見た目から想像できへんくらい美味かった。東京で食べたモンの中で1位やわ。毎日でも食える」





なんて、いくらなんでもそれは褒めすぎでは、






「俺2ヶ月ハマりで大阪からこっちに出張で来てるんやけど…どこで飯食ってもなんかパッとしやんかって。はよ帰りたいって毎日思てたんやけど…初めてこっち来て良かったって思ったわ、今。」






なに、このひとっ─…





なんでそんなに、褒めてくれるのっ、

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