第28話

「─…ん?あれ、聞こえへんかった?何でもええから作って欲しいんやけど…あー、もしかしてもう終わってた?!うわっ、めっちゃごめんもう帰るわ!」





慌てて立ち去ろうとした彼の腕を、咄嗟に掴んでしまった






『った、卵焼きと…お味噌汁で良かったら…』






私が作れる唯一のメニューがそれだった





「なにそれ、最高やん!」





っと言って笑ってくれた彼に、私もつられて笑ってしまったのを今でもよく覚えている






しかし─…





私は料理が上手い方ではない。それは両親が料理上手でほぼほぼ毎日ご飯を使ってもらっていたので、自らが自炊することなんてない人生を歩んできたからだ。







その為、、






「なんこれ、卵焼き…?」





かなり不格好な卵焼きが完成してしまった訳で…出すかどうか迷った挙句に、どうにか盛りつけで誤魔化そうと綺麗に盛り付けたものの…







お世辞にも"卵焼き"とは言えないグシャグシャした形の卵の塊

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