第26話

『佑弥くん、夕飯何にする?どこか食べに行く?』





久しぶりに一緒に外食がしたいなぁ…と思い、話題を変えるつもりでそんな話を持ちかけたけど、






「ん?あー…20時にはこっち出たいから外食はナシやなぁ。」






───え?






『っえ、今日は泊まっていかないの…?帰っちゃうのっ?!』




「アホか、俺明日フツーに仕事やで?お前明日の朝帰る予定やったやろ?莉久が帰ってから、仕事行くつもりやったから」





………そうなんだ、





「んな分かりやすく落ち込むなや、別に今すぐ帰るわけちゃうやん。なぁ莉久、帰ってメシ作ってや?久しぶりにお前の手料理食いたいわ」






……佑弥くんのばか。







『─…何が食べたい…?何でも作るよ』




「あー…あれ。付き合う前にお前がよう作ってくれたやつ。500円定食」





───500円定食、





それは…私と佑弥くんが付き合うことになったきっかけ…とも言える思い出の料理






あの頃も今も、佑弥くんは料理が下手な私の作るモノを…とても美味しそうに食べてくれた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る