第25話

「─…お前の周りってアホしかおらんの?」





一部始終聞いていたと思われる佑弥くん。





彼の話を聞きながら…私は先程の電話の相手、進藤常務に書類の保存先を細かく書いてメッセージを送る






『あの人、営業としての才能はあったみたいだけど…人の上に立つほどの器がある人じゃないから。余裕がなくて常にいっぱいいっぱいなんだよ』





スマホを見ながら佑弥くんの問いかけに答えると、隣からため息が聞こえてきたので焦った私はスマホを片付けて佑弥くんと向き合う






「……別にええんやけど、莉久が他の男の話してんの気に入らん。」






──…きゅん、





「ポンコツ上司と昨日の夜一緒やったんやろ?相手、一応男やろ?遅まで二人きりで仕事しててなんもないん?手ぇ出されたりしやんの?」




『うん…そういうのは本当に一切ない!モタモタしてる常務とイライラしてる私が場を共有してるだけ』





「………なんやねん、イライラしてる莉久とか俺見たことないし。マジでブラック企業やなぁお前の会社。はよ辞めーや。腹立つ」





紳士服を主に取り扱っているウチの会社はかなり大手で全国展開している大企業だ。




休みは少ないけど、それなりにお給料がいいので辞めるのは惜しい。







大阪への行き来はそれなりに交通費がかかるので。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る