第20話

『─…怖い夢…見た。佑弥くんが離れていく夢を見たっ…それで、泣いてた』




───嘘ではない、




同じようなことだ。離れていくような気がして泣いている。それ自体は間違いではない。





「っは…?しょーもな、心配して損したわ。」





バタンっと再び私の隣に倒れ込んだ佑弥くん






──…しょーもない、って。





そんな言葉で片付けられたことにいちいち私が傷付いているなんて、きっと佑弥くんは知らない






それでもっ─…





「アホか、今更俺が莉久を手放す訳ないやろ」





なんて、嬉しい言葉で塗り替えてくれるから、今日も私は佑弥くんの歪んだ愛に溺れる






「離れる?いや、むしろ会いに来たったやん?6時間もかけてお前の為に車運転した俺に、"お疲れ"の一言もないん?てかお前の方がドタキャンしといてひどい言い草やなぁほんま。」





それは…ごもっともすぎて、返す言葉が見つかりません

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