第31話
『お父さんと兄は例外では…?一応家族っ、』
「用があるなら母親に連絡すればいいだろ?」
まぁ…確かにそうか。
──いや、でもっ!!!
『友達っ…女の子の友達まで消えてるのはさすがにひどいんじゃ、』
「向こうから連絡して来た時に返せばいいだろ?ブロックしてる訳じゃねーんだし。それに女の名前で登録して、実は男だったりする可能性もあるしね。一応念の為に消しておいた」
それは、ご自分がされているからそう思うのですか?そんな誰も得しない無駄なこと、私はしませんけど?
「つーか、そもそもお前…誰に連絡しようとしたの?誰かに連絡取ろうとしてソイツの名前が無くて気付いたってことだろ?俺としか連絡取らねぇから2週間も気付かなかったノロマなお前が、勤務中の俺に連絡まで寄越すなんてさ…おかしいだろ?誰の連絡先、探してたわけ?」
───余計なこと、言ってしまったな。
全ての事の発端は"進藤さん"。彼は海吏の中ではモヤシ男という位置づけになっている。せっかく出世したのに、モヤシ炒めにされてしまうのはあまりに不憫だ。
『友達に…久しぶりに会いたくなって、連絡しようと思ったら無くなってて、』
「それ、もしも嘘だったら今ここで犯す」
『─…進藤さんが突然異動になって、お別れの贈り物をくれたみたいだったのでお礼の連絡をしてからモノを返送しようと思い、連絡先を探しておりました。』
「ん、長々と無駄な言い訳お疲れ様。残念ながら全部不正解、間違いだらけ。お前がもし男でここが江戸時代なら、今ここで俺に首をはねられて死んでるよ」
───女子でよかった、令和で良かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます