第30話

部屋に入るともえみは手荷物を自分の部屋に降ろし洋太の方へ振り返り、満面な笑顔で


『ごめんねもてうちくん、私妊娠してるの』


もえみからのその言葉を聞き洋太は伸子の全ての行動が理解できた


頬に両手を重ね少し斜めに顔を傾けながら喋りだすもえみ

『私ね、もてうちくんに嘘付いたの、あの日(レイプ)本当は安全日なんかじゃなかった、ううんむしろ危険日だったの』


とてつもないもえみの告白(真実)に驚きすぎて何も言い返せない洋太


『私ね、今でももてうちくんが好きなの、大好きなの、ううん、多分新舞君が居た三人一緒だったあの時からずっと好きだったの、あの時は自分が本当(中身)に好きな人は誰かって情けないけど正直分からなかったけど、遅いけどやっと気付いたの私はもてうちくんが好きなんだって』


少しパニック寸前の洋太が


『え、な、だ、だって、もえみちゃんは貴士が』


『だから髪型をあいちゃんみたいにしたり、あいちゃんの真似したり、だってもてうちくんにはあいちゃんしか見えてなかったから』


信じられない、考えも付かなかった、そんな告白(真実)に洋太は驚き黙って聞くしかなかった


『だから、親が海外へ行く時、決めたの、もてうちくんを忘れよう諦めようって、それにあの時見せ付けられたって言うか、孤独を感じたの、だから親と一緒に海外へ行く、そう決めてた、でもね・・・・・・・・・・出来なかった』


少し感情を出しながら話して来たもえみが、突然優しい穏やかな表情で洋太を見つめ


『やっぱりあなたがすきだから』


その次の瞬間、洋太もまたあいと同様その場で壊れ始め大声を上げながら床をおもいっきり叩き出す


すると、もえみが洋太を背中からおもいっきり包み込むように抱きしめた


『ごめんね、ごねんなさい、もっと、もっと早くもてうちくんに告白すればよかったね』


しばらく二人は黙ったままその場で動かなかった

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