第25話
そして洋太の家に着いた
伸子は勢いよく洋太の家に入ると大声で玄関先から洋太を呼んだ
『せんぱぁ~~~い、もてうちせんぱぁ~~~い』
するとその声に気付いた仕事部屋に居たあいが、二階から下りて来た
『ん?何だ伸子ちゃんじゃねぇか、どうしたんだ汗なんか掻いて、洋太ならさっき出て行ったばっかだぞ』
こっちに向かって来るあいの姿を見て突然伸子は玄関先で
『お願い!お願いだから、お願いだからもてうち先輩と別れてあいちゃん』
伸子はあいの目の前で土下座をして頼みながら涙までも流していた
勿論突然の出来事と意味の分からないあいは表情を一変させ
『な、何だよ!、いい加減にしてくれ!いくら伸子ちゃんでも言っていい事と悪い・・・』
あいが怒りを露にしながら話している途中
伸子は顔を上げあいの目を見つめながら
『このままじゃ、このままじゃ早川先輩が可哀相すぎるの』
泣いている伸子を見てあいはさらに頭の中が混乱する
『え?何だよ?もえみちゃんが何なんだよ、一体何がどうなんだよ、おれにはさっぱり分かんねぇよ』
少し気持ちを落ち着かせた伸子がもえみとの交わした約束を破った
『先輩、実は妊娠してるの』
伸子は俯きながら申し訳なさそうな表情で答えた
『え!』
まだ何の事かはっきりと理解できていないあい
すると続けざまに伸子はあいを涙眼で訴えるように
『赤ちゃん!先輩のお腹に赤ちゃんが居るの、その赤ちゃんのパパがもてうち先輩なの!!』
あいの感情プログラムは壊れかけその瞬間あいはその場で腰を抜かすような感じでお尻を床に付けた(ペタンッ)
伸子はその放心状態になったあいを見て
『あ、あいちゃん?あいちゃん大丈夫?』
心配になりゆっくりとあいに近付く伸子
放心状態で上の空のようにブツブツと何かを繰り返すあい
『あ、赤ちゃん?洋太の?卵巣?妊娠?・・・・・・』
『だ、大丈夫?あいちゃ・・・』
伸子があいの顔を覗き込んだ次の瞬間
『うわああああああああああああああああああああああああああああああああ』
狂ったように暴れだした、そのあいを必死で止めようと抑える伸子だが、振り払われその時に
足を挫いてしまいその場で蹲る伸子
そしてあいは突然何を思ったのか家から勢いよく飛び出していってしまった
そしてゆっくりと洋太があいと入れ違いのタイミングで帰ってくる
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