第24話

もえみは気が付くと、自分のかかりつけの病院のベッドの上で寝ていた



側には心配そうに見守る伸子が椅子に座っていた


『あ、あれ?わ、わたし』


ようやく目が覚めベッドの上で上体を起こすもえみ


『先輩、お目覚めですか、大丈夫ですか?』


伸子は椅子から立ち上がりもえみに近寄った


『わたし確か、喫茶店で』


『そうですよ、先輩私と一緒にお茶をしてたんです、でも私が席を離れてから・・・』


今までの経緯をのぶこはもえみに話した


『ご、ごめんね、伸子ちゃん心配かけさせちゃって』


申し訳なさそうな表情で俯き加減で話すもえみ


『いいんですよ、先輩、でもお医者さんも言ってましたよ、働き過ぎだって』


少し困ったような顔で俯くもえみ


『一応貯金はあるんだけどね、働けるうちに働かないと、と思ってたから』


当たり前の現実論を言われ、じぶんがもえみに何もしてやれない事で少し苛立ちを隠せない様子の伸子


すると突然


『先輩、もう言いましょうよ、やめましょうよ、こんなの(一人で子供を育てる事)一人でなんか無理ですよ』


伸子の言う事と今の現実(ベッドの上)を目の当たりにされ、悩み苦しみだすもえみ


『今回はたまたま大した事無かったですけど、これからはお腹ももっと大きくなって、一人ではどうしようもならない時が来たらどうするんですか?先輩に何かあったりしたら、それにお腹の赤ちゃんだって』


悔しそうに伸子は静かにもえみの為に涙を流していた


それからしばらく時間は流れ・・・


『それじゃあ先輩、明日また来ます、お大事に、あとお腹の赤ちゃんにもよろしく』


明るく振舞い伸子はもえみの病室から出て行った


病院から出て自分の家に帰ろうとした伸子だが、どうしてももえみの事が気になり途中で足を止め、ある場所へと方向を変え走り出した

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