第5話
それから数日後
いつもと同じように仕事を終え家に帰る途中もえみは少し違和感を感じていた
しかし、その違和感が何なのかその時全く分からなかった
自分のマンションの前まで来ると、もえみは足早に自分の部屋へ向かった
結局無事家まで辿り着いた事で、自分の勘違いだったように思え自己反省し安堵感に浸りながらベッドに倒れこんだ
『ふぅ、何か疲れちゃったなぁ、何か違和感感じてたけど、それも結局私の勘違いだったみたい』
もえみは塞ぎ込んだ顔を上げ何と無くベランダに目を向けた
次の瞬間
もえみの顔は驚きと恐怖を同時に感じた表情で固まった
あの男がベランダでもえみの帰りを待っていたのだ
『おかえりぃ~、愛しのもえみちゃん』
男はきもやさしそうな声で答えながら窓を開け部屋の中に入ってきた
『ちょっ、ちょっとどう言うつもりなの、警察呼ぶわよ』
もえみはベッドから立ち上がり精一杯の勇気をふりしぼり毅然な態度で男に抵抗した
『呼びたきゃ、呼べよ、どうせ俺はあんたに嫌われてんだ、嫌われてるなら嫌われてるで、もっと嫌われてやるよ』
男は開き直ってきた
『だって、ちゃんと説明したでしょ、それにあなたも待っててくれるって、それに別に貴方の事嫌いじゃ』
もえみが話している途中で男はもえみに近づき腹部に一発のパンチを入れた
『うぐっ、なっ、こんな』
『騒ぐんじゃねぇよ』
男はそう言うと、ポケットからバタフライナイフを取り出した
恐怖で体が竦み何も抵抗できないもえみ
男はベッドにもえみを押し倒し抑え込み、そのナイフをもえみの顔に当て陵辱し始めた
中略
気付くと静まり返った部屋の中のベッドの上で、もえみは裸のまま両手で胸の前で布団を握り締め震えていた
今一瞬何が起こったのか分からない程のショックで自殺を考えるが、ベッドの墨にある携帯の待ち受け画面(洋太)を見て正気に戻りその場で泣き崩れた
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