第6話 漁

俺は手モリを作った。


これで魚が食える!


俺はさっそく、手モリ片手に海へダイブ!


俺は魚を探した。


しかし、ゴーグル無しでは視界がぼやけるし、水の中では魚との距離感を掴むのが難しい。


俺は苦戦した。


くそっ!


全然魚が獲れねえ!


しかも、潮の流れにあらがいながら泳ぐのってめちゃくちゃ疲れる。


(浮きが必要でしょう。

 浮きに捕まりながら泳げば、いくらか体力の消耗を防げます。

 それに、足にひれを付けることも有効でしょう。

 例えば、木の板などを足に括り付け、ひれの代用とします。)


なるほどなあ。


俺が海にダイブする前に教えてほしかった。


俺は泣く泣く海から上がり、一休みした。


はあ、取れ高ゼロかよ。


さすがに精神的にきた。


今日一日、魚料理のために頑張ってきたのに・・・。


まあ、くよくよしていても始まらない。


スキルの言う通り、まずは浮きとひれだ!


浮きは竹でいい。ひれはツタを使って木の板を足に括り付ければいい!


俺は竹を取りに向かった。


しかし、竹ってどうやって切るんだ??


本当は斧やのこぎりがほしいところだが、俺はとりあえず石のナイフで切り始めた。


うーん、ちょっとずつ切れてはいるが、これじゃらちがあかんな。


(竹を火であぶり、焼き切りましょう。

 火であぶった箇所は幾分柔らかくなります。

 そこを石のナイフで切るのです。)


なるほどな。お前、頭いいな。


俺は早速、拠点に火を取りに行った。


そして、竹を火であぶった。


おお、確かにすこしもろくなって柔らかくなったぞ!


俺はそこを石のナイフで切った。


簡単に切れる!


俺はそのようにして竹の切れ端をいくつか採取した。


そして、その竹同士をツタで結び、簡易のビート版てきな浮きを作った。


そして、お次は木のひれだ。


これはどうしよう。


木の板がほしいのだが、そんなに都合よく木の板なんて無いぞ。


木の板は諦めよう。


うーん、南国の木の大きな葉っぱでいいかな。


ないよりはあったほうがましだろう。


俺は大きな葉っぱを足に括り付けた。


よし、これで次こそは魚を捕る!


俺は海にダイブした。


浮きと足ひれのおかげで随分と泳ぎが楽になっているのが分かる。


よおーし、これで素早く泳げるし、魚の居場所まですぐに行けるぞ!


自国は夕暮れ時、急がなければ真っ暗だ。


しかし、かえってそれが良かったのか、すでに眠りについている魚がちらほら。


俺はそれを見逃さなかった。


眠っている魚に近付き、脳天を手モリでぶちぬいた!


グサッ!


魚はぴちぴちと抵抗するが、俺は魚を両腕でしっかりキャッチ!


そしてそのまま浜辺に上がった。


魚、ゲット!!!


そんなに大きくはないが、小さくもない。


今日はこいつ1匹で我慢するとしよう。


俺は今すぐにでもかぶりつきたい気持ちを抑え、魚の内臓を石のナイフで処理する。


そして、焚火であぶり、丸焼きにした。


うーん、いい匂い!


魚から脂がしたたり落ちる。


こりゃあいい脂の乗りだ!


そのままガブッと口にした。


なんてうまいんだ!!!


脂の乗った白身魚だ。


今日一日、こいつのために石のナイフ、木の手モリ、竹の浮き、葉っぱの足ひれを作った甲斐があった!


しかし、こいつ1匹ってのもやっぱり味気ないなあ。


そうだ、カニも捕まえよう!


俺は暗闇の浜辺を松明で照らしながらカニを探した。


「お、いたいた!」


俺はカニを採ると、すぐに水の入った空き缶にぶち込み、煮込んだ。


そこに魚もぶち込む!


そして、そのスープにカニ味噌をといて、完成!


魚とカニの魚介味噌汁!


ズズズっ!


「ぴゃあああああ!!!

 うんめええええ!!!」


カニの出汁と魚の出汁が絶妙に合う!


はあ、食った食った。満足だ・・・。


俺は無人島の食材に感謝をした。


さてと。明日からは何をしよう。


拠点づくりかな。


っと、その前に簡易的に服を作ろう。


また風邪を引いてしまってはいかんしな。


動物の毛皮がほしいところだが、まだ動物を狩るには文明レベルが足りん。


手始めに葉っぱで腰みのでもつくるか。


よし、そうしよう!


明日やることも決まったし、俺は眠りにつくことにした。



==== 作者あとがき ====


次回、腰みのづくりと拠点づくり!


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