第5話 石のナイフと手モリ

今日、俺は石のナイフと手モリを製作することとした。


石のナイフは何かと役に立つ。


道具作りやツタや植物を切ったり、肉や魚をさばくのにだって使える。


手モリは魚を捕まえるのに便利だ。


猛獣が出てきた時の武器にだってなる。


手モリは、石のナイフで木の先端を尖らせれば簡単にできる。


だから、まずは石のナイフづくりから着手することにした。


俺はまず、川辺に丁度いい、手ごろなサイズの薄っぺらい石を探した。


「うん、これがいい。」


俺は良いサイズの石を手に取る。


これを研いでいけば、石のナイフの刃となる。


研ぐための土台となる石は、大きめの、上部が平らな石がいい。


これも割とすぐ見つかった。


ここらあたりは石材がゴロゴロとあるからな。


さて、俺は早速石を研いでいった。


ゴリゴリと薄っぺらい石を土台の石で削っていく。


こればっかりは単純作業。


ひたすらに続けていくしかない。


はあはあ。


二の腕がパンパンだ。


すると、スキルが声を発した。


(研ぐ際に水を少し混ぜると良いでしょう。

 水を混ぜることで、いくつかのメリットがあります。

 1.摩擦熱の低減。

 摩擦熱により、石材が厚くなってしまうのを防ぎます。

 2.研ぎ粉の除去。

 研いだ際に出る石の粒子を水が洗い流すため、研ぎ作業が容易になります。

 3.研ぎ心地のサポート。

 水は潤滑剤の役割も果たします。研ぐ際の摩擦を減らし、滑らかな動きをサポートするため、研ぎ作業が容易になり、均一な仕上がりが得られます。

 4.研ぎ面の視認性の向上。

 水を使うと、研ぎ面が濡れて光を反射し、石の状態や研ぎ具合を確認しやすくなります。特に鋭利な刃を作る場合、この視認性の向上が重要です。)


ずいぶんと丁寧に、ありがたい。


なるほどな。


水を混ぜて研いだほうが効率が上がるらしい。


俺はスキルの言う通りに、研石に水を垂らした。


スッスッスッ


おお!


研ぎ心地が滑らかになり、良く研げている気がするぞ!


スムーズになった分、なんだか楽しくなってきた!


スッスッスッ


効率が上がったようだ。


水が無い時に比べ、明らかに刃が鋭利になっているのが分かる。


しかし、ナイフとして使えるような薄さには程遠い。


あとどれだけかかるんだ・・・。


(細かな粒子の砂も混ぜると良いでしょう。

 砂が天然の研磨剤となり、検案するスピードをより早めてくれます。

 しかし、注意も必要です。

 砂の粒度が荒すぎると、削りすぎになる可能性があります。

 細かく様子を見ながら、砂を研磨剤として活用しましょう。)


もっと早く言え!!!


もうだいぶ削ったあとにこういう大事なことを言う。


まったく中途半端なスキルだ・・・。


細かい砂かあ。


川辺の砂利じゃあちょっと大粒すぎるしなあ・・・。


そうだ!


浜辺の砂ならいいんじゃないか?


あれよりサラサラな砂はそう無いぞ。


俺は浜辺に行き、砂を手ですくいに向かった。


ああ、空き缶ですくったほうがいいな。


ついでに水分補給のための水も汲みたいし。


俺は拠点に空き缶を取りに行き、その足で砂浜へ向かった。


砂浜に着くと、浜辺の砂を空き缶にたっぷりと入れ、川辺に戻った。


さて、研ぎの再開だ。


俺は空き缶に入った砂をと石の上にまき、研ぎを始めた。


スッスッスッ


おお、砂がちょっとジョリジョリいってよく削れているのが分かる。


どんどん石の刃が薄く、鋭利になっていく。


スッスッスッ


よし!薄さはこんなもんだろう!


次は刃先をより鋭利にするため、斜めに研いでいく。


ここの作業はデリケートだ。


少し削りすぎただけで台無し。


一研ぎ一研ぎ丁寧にこなしていく。


スッ


スッ


スッ


いいぞ、よし!こんなもんだろう。


さて、刃は完成した。


やっぱり、完成したとなったら試し切りだよな。


俺は近くの葉っぱをちぎり取り、地面に置いた。


そして、石の刃で切ってみる。


スッ!


おお!


葉っぱがスパッと切れた!


こりゃあいい切れ味だ。


あとは柄の部分を作らないとな。


俺は適当な長さ、太さの木の棒を手に取り、石の刃で少し切れ込みを入れた。


そして、その切れ込みに石の刃をぶっ刺した。


これで石の刃と木の柄がくっついた。


そして、その辺にあったツタを取り、石の刃と木の柄がくっついている部分をツタでぐるぐると巻いて固定した。


石のナイフ、完成!!!


さらにさらに、1メートルくらいの木の棒を手に取り、石のナイフで先端を削った。


シュッシュッシュッ!


いやあ、石のナイフの切れ味、なかなかすごいね。


木の手モリ、完成!!!


あっという間に木の手モリが完成した。


そして、このころには微熱も引いて、すっかりいつもの調子に戻っていた。


こうして、石のナイフと木の手モリを入手した。


あとは、木の手モリで実際に魚を突いて、石のナイフで捌いて食す!


いやあ、魚料理、楽しみだぜ!



==== 作者あとがき ====


次回、魚を突く!


ブクマ、評価ボタンをポチっとしていただけると大変ありがたいですm (_ _) m

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る