第4話 風邪

俺は2日目にして風邪を引いた。


にしても、急なスコールとは・・・無人島の恐ろしさを肌で感じた。


さて、風邪対策として、まずは身体を温める必要がある。


温める方法はいくつかある。


まず、焚火の近くにいること。


これは当然だな。


次に、風邪をしのぐための簡易シェルターがいる。


今日も少し風が強く、冷たい。


風をしのぐために、南国の木々の大きな葉っぱが必要だろう。


それで身体を覆えば、いくらか風をしのぐことができるだろう。


そして、温かいお湯を飲むことだ。


水を温めてお湯をつくってそれを飲めば身体も温まるだろう。


できれば薬草もあるといいな。


ショウガがあれば最高だ。


ショウガは身体を温めてくれるからな。


だが、そう都合よくショウガはないだろうから、似た効能を持つ植物があれば良い。


さて、こんなところだろうか。


俺はまず、南国の大きな葉っぱを取りにいくため、重い体にムチを打って起き上がった。


ああ、体がだるい。


でも、今動かなければ後でもっと大変なことになるからな。


そう自分に言い聞かせ、俺は歩みを進めた。


さてと、まずは南国の葉っぱだ。


しかし、南国の葉っぱと言っても、木を登って取るわけにもいかん。


風邪ひいてるし、そんな体力もない。


と、考えていると、運のいいことに大きな葉っぱが大量に地面に落ちているではないか。


それもそのはず。


昨日は大雨に強風。


その影響で木の葉っぱがたくさん地面に落ちるのは必然だった。


不幸中の幸いだ。


俺は葉っぱをできるだけたくさん、拠点に持ち帰った。


そして、次に水を汲んで来なければならない。


とはいえ、俺が持っている貯水できるものは空き缶ひとつだけ。


本当はもっと大量に貯水できるものを見つけたいんだがな。


今は仕方ない。


俺は空き缶片手に川へ水を汲みに行った。


すると、どういうわけか、川の水には泥が混ざっていて土色だ。


濁流になっていた。


これは参ったな。


昨日のスコールで川の水に土砂が混ざってしまっている。


おそらく、動物の糞尿も多く混ざっていて飲むには危険だ。


これではまともに飲めないな・・・。


(近くの土を掘ってください。湧水が出るでしょう。

 土の中の湧水は濾過されていてきれいなので飲んでも問題ありません。

 しかし、掘ったばかりでは水に土が混ざっているため、泥が沈殿するまで待ちましょう。)


なるほどな。


さすがスキルだ。


水を確保する方法を的確に教えてくれた。


俺はすぐに川の近くの土を掘った。


すると、本当に湧水が出てきたではないか。


俺は湧水の土が沈殿するのを待つ。


しばらくすると、湧水が透明になってきた。


土が沈殿した証拠だ。


俺はその湧水の上澄みを空き缶ですくい取った。


きれいな水、確保!!!


俺は拠点に戻った。


その道中の出来事だ。


スキルが俺に教える。


(ニームの葉が群生しています。

 この葉をすりつぶして食せば、身体が温まるでしょう。)


なるほど。ショウガみたいなものか。


これはラッキー!


俺はニームの葉を採り、拠点に持ち帰った。


さてと。俺はきれいな水の入った空き缶を火にかける。


水が沸くまでの間、ニームの葉を石ですりつぶした。


そして、すりつぶしたニームの葉を空き缶の中に入れた。


しばらく待つと、水が沸騰した。


よし、これで風邪薬の完成だ!!!


俺は風邪薬をフーフーして飲む。


「あちちっ!」


うん、まずい!


まあ、良薬口に苦しって言うしな。


俺は我慢してその風邪薬をグイっと飲み干した。


しばらくすると、胃の中がかっかかっかしてきた。


おお。


たしかにショウガ汁を飲んだ時のような、胃の中が少しも燃える感覚だ。


体が温まってきたぞ。


俺は持ってきた南国の葉っぱをかぶり、横になった。


まあ、まだまだ寒いが、何も対策をしないよりはマシだった。


うーん、今日は何もできなかったなあ。


また大雨にならないことを祈り、俺は眠った。


翌朝。


天気は快晴。


風邪は治ってはいそうだが・・・うーむ、微熱くらいかな。


まあ、昨日よりはマシにはなっている。


少しは動けるし、モノづくりに取り掛かるとしよう。


今日は石のナイフと手モリづくりだ!



==== 作者あとがき ====


次回、石のナイフ


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