スカベンジャー
裏 鬼十郎
第1話
花を摘んだんだ。そうしたら、最期の抵抗みたいに指に緑の液が付いた。
俺たちは、毎日何かを食べて生きてる。何かを食べるということは、何かを殺すことだ。
気分を良くするためだけに、人は花を摘むだろう?ならば、なぜ生きて金を稼いで生きていくのは悪いことで、花を摘むことはそうではないんだろう。そう考えたから、俺は殺し屋になった。
ただ殺すのでは、生命に失礼だ。ただ殺すのでは、摘んだ花をポイと捨てるのとかわりない。だから、俺は殺した相手の全てを使う。原始の民族のように。肉を喰らい、皮を鞣し、骨を組み、自分の手に負えないものは、専門家に流す。それが俺の獲物への追悼であり、礼儀だ。
骨も残さないやり方から、スカベンジャー何て呼ばれてる。
だから、大丈夫だ。お前さんも全て使ってやる。いっぺんの欠片も余さないと誓う。
スカベンジャー 裏 鬼十郎 @uotokaitesakana
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます