第37話ビーチバレー対決
ビーチバレー対決
俺とエバで白い砂浜を均ならして、ビーチバレーのコートを作る。
裸足だと砂が熱くて、海に入って冷やして戻るを繰り返す。
なにせ、こっちにはビーチサンダルみたいな、グッド商品は無い。
ついでにコートの先にも、ビーチフラッグ競争ができるよう2本の直線を作った。
ボールはボロいけど宿屋にあったものを借りたし、旗は拾った木の枝に布を結んで作った。
流石にネットは無かったので、ロープを一本 頭の高さに張っただけだけど、これでだいたい準備が整った。
あとはティアナたちが戻ってくるのを待つばかりだ。
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「おーい、ティアナたちを連れてきたにゃーー」
ポポは四つ足で俺たちに向かって駆けて来た。 やっぱり四つ足の方が速く走れるらしい。 う~ん、獣っぽい。
その遥か後ろからティアナとクーニャンが走ってくるが、ティアナは気持ち よろけて見える。
まあ、あれだけだらしない体になったので無理もない。 本当にラ〇ザッ〇に行かせたいくらいだ。
ティアナは肩で息をして、ゼィゼィ言っているが、クーニャンはそれほどでもない。
クーニャンの歳を考えると大したものだと思う。
「三人に俺から提案があるんだけどいいかな?」
「一樹くん、ひょっとして提案ってお金に関すること?」 ティアナは、こういう時だけ感が働く。
「ああ、せっかく夏の陽気と海に砂浜があるんだから、三人 V/S 俺とエバで ビーチバレーをやるってのはどうだい」
「ビーチバレー?」
「そう、ティアナたちが勝ったらお金を貸してあげる。 負けたら次にビーチフラッグで勝負する」
「ビーチフラッグって何にゃ?」
「やり方とルールは後で説明する。 それで両方とも負けたら、お金は貸すけど1,5倍にして返してもらう」
「それは酷いアルネ。 一樹は鬼アル」
「いや、散々遊びまくって、暴飲暴食までしてお金を使い果たした人達の方が悪いと思うけど。 まぁ嫌なら魚でも釣って野宿すればいいじゃん」
『旅をして来たなかで、野宿なんて山ほど経験して来たけど、ロルシェの町で贅沢をしたため、今さら野宿とかできないだろう』
「わかたわ。 絶対に勝ってやるからね!」 一番運動神経が悪そうな女神が真っ先に喰いついた。
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みんなにルールを説明してから、まずは練習試合をしてみる。
こっちにはエバがいるけど、向こうは三人。 ひとり多いのは可成り有利になる。
「それじゃあ行くぜー そぉれっ!」
俺のサーブは、ポポを目掛けて飛んで行く。
「にゃっ!」
流石にポポは運動神経がいい。 うまくレシーブし、ボールはクーニャンへとつながる。
「よしっ あたしに任せるアル!」
ズバァーーン
クーニャンはいきなり高くジャンプし、スパイクを決めにくる。
だが、エバはいち早くボールの落下点に移動し、それをうまくレシーブ。
その高く上がったボールを俺が、バックアタック気味にスパイクした。
ボールはティアナ目掛けて突き進む。
そしてダメ女神は、顔面でレシーブ。 いや、ただ本人にボールが激突しただけである。
ボールは、そのままティアナの前に落ちて行くが、ポポがジャンピングレシーブでうまくトスを上げた。
それをクーニャンがスパイクする。
が、エバがそれをブロック。 ボールは相手コートのネット下にストンと落ちた。
「よっしゃーーっ」
俺とエバは喜びのハイタッチをかます。
「キィーー 悔しアル!」 クーニャンがその場で地団駄を踏む。
「いやー ひとりを除いていい感じだったじゃん。 もう本番いっていいか?」
「ちょっと待って、一樹くん」 ティアナが胸の前でTマーク作ってタイムを要求。
「ん? どうしたティアナ」
「どうしたって、身体強化するの忘れてたのよ」
『身体強化って運動神経も強化されるのか?』
「OK。 それじゃ5分後に試合開始な!」
遠くで見ているとティアナがブツブツ言いながら杖を振る。 するとティアナの体が一瞬キラキラ輝いてから元にもどった。
『へぇー 今ので身体が強化されたってことか』
・・・
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5分後。
「ハイハーイ それでは試合開始するので、みんな服を脱いで下さーい」
「何ですって?」
「なんだ知らないのか? ビーチバレーって水着でやるもんなんだよ」 ← 半分嘘
「にゃ? 水着ってにゃんだ」
「知らないアルか。 泳ぐときに着るものアルよ」
「はい、クーニャンさん正解です」
「一樹くん。 あたしたち水着なんて持ってないわよ!」 ティアナがFカップの胸を不満気に揺らす。
「だから上着とズボンやスカートを脱いで、下着だけでやるのさ。 それなら水着に近いだろ」
「アタイは面倒だから全部脱いでやるにゃ」 ポポは過激だ。
「あたしは、水着出せるアル」 さすが元守護者のクーニャンは、魔法を使って水着を装着した。
「で、ティアナさんはどうするのかな?」
「し・・仕方がないわね。 ブラとショーツでやればいいんでしょ!」
『よっしゃー』
「一樹さま。 我はどうすればよいでしょう」 エバがじぃーっと俺を見て来る。
「そ、そうだな。 エバは水着なんか持ってなかったよな」
「我の元の姿は竜です。 人の姿になるときに、服も含めて好きな恰好に化けることができるのです」
「そうなの?」
「はい。 如何様いかようにもできますが」
「それなら、こういうのでお願いします」 俺は棒で砂浜にビキニの絵を描いてみせた。
「なるほど。 ティアナさまの下着と同じですね」
「いや、違うと思います」
こうして、ちょっとエロいビーチバレー対決が始まったのであった。
第三十八話(勝利の女神)に続く
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