第23話パーティーメンバー
パーティーメンバー
俺が通路でクーニャンを待ち伏せしていると、食事を終えたクーニャンが歩いて来て、バッチリ目が合った。
クーニャンは驚きのあまりか、目をまん丸くしたまま、その場で固まった。
「やあ、偶然だね」 ちょっと白々しいが、他に良い言葉が思いつかなかった。
「えっ・・・そ・そうアルね。 驚いたアル」
「ここに何か用事があるの?」 ティアナに探りを入れるなと言われたことなど、すっかり忘れている。
「・・・ あのっ、お願いがあるのだけど、聞いてくれるアルか?」
『いきなり本音、キターーーッ!』
「おぅ・・いいぜ話してみな」
「あなた達は、冒険者アルよね?」
「まあ、そんなところだな」
「だったら、あたしも仲間に加えて欲しいアル」
「なんですと?」
「あたしには8歳年下の妹がいるアル。 だけど、ひと月前に急にいなくなってしまったアルよ」
「もしかしたら家出か?」
「家出する理由はないと思うアル。 それに、男と二人でミュデンの町の方へ歩いて行くのを見た人がいたアル」
「それは駆け落ちだな」
「違うアル! 妹はまだ10歳アルよ!」
「そ、そうか。 すまない、見たことがないから歳のことを考慮してなかった」
「ビーネンからは、ミュデンまで一本道アル。 あなたたちもミュデンに行くアルよね」
「そうなると思うけど・・」
「ミュデンへ行くには、魔の森を抜けて行かなければならないアル」
「物騒な名前の森だな」
「実際に魔物がたくさん出るから、そう呼ばれているアルよ」
「だから、俺たちの仲間になりたいのか?」
「そうアル。 どうかお願いするアル」
俺は別に構わないし、ティアナもポポも反対はしないだろう。
「オッケー、仲間に確認してみるよ」
「ほんとアルか。 よろしく頼むアル」
・・・
・・
・
クーニャンが尾行してきた理由も分かったし、ティアナとポポの了解も得たので、クーニャンは俺たちのパーティーに加わった。
そして、翌朝。 俺たちは仲間にクーニャンを迎えて、ミュデンへ向けて出発した。
第二十四話(格闘家クーニャン)に続く
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