第2話 裏

 僕は殺し屋の一員だ。そして仕事帰りに見つけてしまった。

「姉さんを!」

嬉しすぎてつい声が出てしまった。あの美しい瞳そして眼差し‼なんと麗しいのだろうか。白く透き通った肌に、漆黒の髪、姉さんの強かさを表したような美声。本当に大好き。きっと姉さんは僕のことを覚えていないけれど、僕は覚えてる。どうしよう〜!

 事務所に戻り、報告した。事務所は、あるバーで雰囲気が暗めなスナックである。そこのオーナーがレン兄ちゃん。大学生でサークルでバンドを組んでいるんだ。ちなみに僕はろくに学校を出ていないけど、ちゃんとしていれば高校2年生かな。

「レン兄ちゃん!見つけたよ!」

事務所は

「フミおかえり。誰を見つけたの?」

「小野原 柊(おのはら ひいら)、僕の実の姉です」

ガチャン

急にレンが崩れた。

「おまっ、え、マジか!」

レンも僕も姉ちゃんが大好き!一応血が繋がってるのは僕だけだけどね。レンが何か封筒を出しながら言った。

「あ、それはさておき」

「なんでだー!」

「まぁまぁ。今月の給料と、新しい仕事内容だ。しっかりと目を通しておけよ〜」

はぁい。また依頼か…。最近多い気がする。

「しっかり調べて、お前なりの判断で仕事をしろ」

いつも通りの言葉。僕なりって…まぁ殺さないでヤる方法を探せってことでしょ。また大変そうな依頼貰って…

「他のみんなは?」

「小中学生組は研修旅行、大学生はサークル付き合い。お前にばっか任せて悪いな」

「レン!いつになく弱気だなw あ、もしかして好きな人でもできたか!」

「うるせぇ!とりあえず休めや!」

なんだかんだで優しいレン兄でした。

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元殺し屋の相談バー @I-want-to-be-a-singer

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