21. 別れ

*******


スーツを着た男は焦ったように一本の電話を掛けた。相手は自分の命を左右できる男であり、決して逆らう事の出来ない相手である。



「荒木さん、…申し訳ございません。今、連絡があり、青木を追ってた二班、青木を見失ったようです。青木が古賀の所へ向かったのは間違いないと思いますが…」 



「見失ってしまいましたか。そうですか。残念です。…灰田さんは今、どこです?」



「赤澤のマンションに来ています。しかし青木の姿はありません」



「赤澤はいますか」



「はい」



「灰田さんはそのまま赤澤を張って下さい。後ほど地図を送っておきますので、そのマークしてある場所に二班ともに向かわせて下さい。人員を増やしたいところですが、本件はあまり公にできませんし、別件の事もあります。人員はさけませんが、承知して下さい」



「はい。こちらだけで探し出します。荒木さんは合流しますか」



「俺は生憎、別件で手が離せません」



「分かりました」



「削除されていた古賀の電話番号は手に入ってますよね」



「はい。手洗場で話していた相手、内容からして古賀で間違いありません。その時の番号から、今、居場所を辿ってますがなかなか掴めず…」



「その番号、青木が渡した番号と違いましたか」



「はい。荒木さんの読み通り、やはり青木が伝えた番号とは異なりました。契約者はどちらも同じ、サカイ ユキオ、という名前です。多分、古賀が使っている偽名かと思いますので、どちらの携帯も古賀の持ち物になるかと。しかし実際、古賀に繋がる番号は、今、私が手に入れた方になるかと思います。片方は電源が落とされ、位置の特定は出来ません」



「そうですか。古賀は青木に携帯を渡していたという事ですね。自分との連絡手段ではないなら、何の為だったのでしょう。こういう時の為でしょうか」



「その可能性は高いかと思います」



「用心深いですね。でもヤクザなんかに絆されて暴走する馬鹿な部下のせいで全ておじゃんです。可哀想に」



「青木、どうしますか」



「ふふ、もちろん始末します。あぁ、でも簡単には殺しません」



「上にこの事は…?」



「もちろん言ってませんよ。大丈夫、古賀を捕まえたら青木はもう不要ですから」



「分かりました。松葉や切田、Sはどうしますか」



「そっちはもう良いです。見つけ出して始末するのに金も時間も掛かります。Sに関してはもうこの国にいないかもしれないでしょう? あれ、一応プロの殺し屋ですから。雇うところはたーくさん。匿うところも。あいつら殺しても何も利益ありません。だから、その三人はもう良いです。今は青木と古賀に集中して下さい」



「分かりました。青木は見つけ次第、生け捕りにします」



「はい。俺を裏切ったのですから、それなりの罰を与えなければ。…手始めに赤澤邦仁を相馬組に始末させましょう」



「やつら、しっかり仕事してくれますかね。この前は殺し損ねましたよね」



「ですね。でも問題ないと思います。この前の一件で戦争開始。相馬組の若いのが二人、葉山組の若いのに殺されたそうです。ドンパチドンパチ。ヤクザってのは単純で有り難い」



「今はまだそれほど激化してないように見えますが、すぐに決着はつきますか。ご指示を頂ければ、葉山組がやったように見せて相馬組の若頭を始末します」



「ふふ。俺ね、灰田さんの血の気の多いところ大好きです。でも灰田さんは休んでて。大丈夫。きっと、俺達が手を出さなくても、1ヶ月でかなりの死人を出します。そして船木組はとてつもなく弱体化します。大きくなりすぎた船木組は力をなくし、力はまた分散されるはずです」



「……森鳳会はどうなるでしょう」



「古賀の口を塞げば問題ありません。だから一刻も早く古賀の居場所を掴んで下さい。いいですね? 灰田さん。失敗は許されませんよ」



「分かりました…。では、また後ほど」



「はい」



男は緊張と共に電話を切った。


*******


家に戻り、冷静になろうと呼吸を整える。石南港、23時。頭の中で繰り返す。赤澤には相馬組に知られていると伝える事さえできれば良いが、赤澤はきっと張られているだろうし、街中に荒木の手下がいるだろう。今、この場所は安全だとしても、無闇に外へは出られなかった。それに逃げてしまったのだから、切田や松葉にも危険が迫っている事を伝えなければならない。さっさとあの組織を壊滅させないと何もかもが手遅れになるが、今、何よりも最優先にすべき事はひとつだった。


銃に弾を込め、ナイフをベルトに挿す。ひとまず近くの公衆電話まで行く事ができれば、電話さえ出来ればそれで良い。俺が生きてるって分かったらあいつは何と言うのかな。安心するかな。喜んだりするかな。なんて自分の感情に自嘲した。あんなやつに絆されなければ仕事を遂行できたはず。こんな厄介な事にはならなかったはず。危険な橋を渡らずに済んだはず。


自由にだってなれたはず。


最初から上手くいかない道を選んだのは俺自身。分かってたろう。赤澤の側にいる事は破滅を意味すると。キャップを深く被って部屋を出た。歩いて10分ほどの所に公衆電話はある。そうしてふと気付く。嫌な予感がする。ぴたりと足を止める。公衆電話近くのベンチに男がひとり座っていた。顔は見えないし、こちらには気付いていない。男は人が通りすがる度に、その顔を確認する。違う、と判断すると手に持っている本に視線を落としていた。しばらく男を観察した。男は本を読んではいない。ただ、開いて持っているだけだった。


あの野郎……。俺は苛立った。どうやって探ったのか、俺がいそうな目ぼしいエリアの公衆電話に人を張らせているのだろう。瞬間、俺は気付かれる前に道を引き返し、物陰に隠れ、どうしようかと必死に考えを巡らせた。きっとここら辺は全て張られているのだろう。こうして歩いている人物の中にも、荒木の手下はいるだろうし、あまりウロウロと街を歩く事はあまりにも危険だった。


なら少し危険だが飛ばしの携帯を利用するか。ただネックなのは俺の知っている売人の居場所は葉山組の事務所に近いという事。組員に見つかればこれまた面倒。きっと俺はあの組では突然いなくなった裏切り者なのだろうから行くべきではない。ならばどうするべきか。どう動くべきか。冷静に、冷静に。しばらく考え、俺は覚悟を決めた。賭けに出よう。あいつは石南港に必ず来るのだから、石南港に直接行こう。


時間が過ぎ、23時少し前。石南港周辺は雷を伴う大雨だった。取引をするのならきっと倉庫の中だろうと息を潜めて隠れていると、一台の車が入って来る。きっと赤澤の取引相手だろう男達だった。三人の男達はバッジもなく、スーツも着ていない。どう見てもヤクザではなさそうだ。武器商人なのだろうかと目を凝らす。ふたりがかりでトランクから大きな木箱を下ろし、それを丁寧に地面に置くと、赤澤達が来るまでの間、他愛もない話を始めた。緊張感すらない。


しばらくして一台の車が入ってくる。助手席から斉藤が降り、後部座席を回りドアを開ける。運転席には涼司がいた。眠そうな赤澤が後部座席からのそのそと降りた。ダークブラウンのダブルのスーツに、薄い灰色のシャツ、バーガンディーのネクタイに、シルバーのタイピン。ヤクザらしくないよなぁ、とぼんやりと考えていた。


そのスーツ姿はヤクザらしくはないが左手にはまだ包帯が巻かれ、更には左腕を三角巾で固定し、ジャケットは羽織っているだけだった。腕は相馬組に襲撃された時の怪我だろう。本当に悪運強いよな。そんな事を考えながら辺りを見回すが、相馬組の連中も、荒木もその手下っぽいやつらもいなかった。


赤澤達は表情を緩めながら雑談を交えて取引を開始させ、アタッシュケースと武器の入っている木箱とを交換する。涼司と斉藤がその箱を重そうにトランクへと運び、その間赤澤と商人の一人がやたらと楽しそうに話していた。相手はケタケタと肩を震わせて笑い、「また、宜しくね」と赤澤に対してタメ口を使った。年は赤澤より下に見えたが、そうではないのか。立場は赤澤より上なのだろう。


相手側が車で去ったのを見送り、俺は片眉を上げる。相馬組が狙っていたのは、この件じゃなかったのだろうか。このまま赤澤達が帰ればまた赤澤は雲隠れするだろうし、相馬組も情報はなかなか掴めないはずだ。絶対に来るはずなのだがと、緊張の中、疑念を抱いていた。


そうして涼司が赤澤の為に後部座席のドアに手を掛けた瞬間だった、パンッという骨に響く音が倉庫内に響いた。涼司は反射的に赤澤を守るように身を屈め、斉藤は即座に銃を構えた。弾はどうやら涼司の足を掠っていたらしく、血が少し流れている。


のそのそと入って来た四人の男達は相馬組の代紋を掲げていた。組同士の抗争だが裏には必ず荒木がいる。俺は銃を構えて目を細める。



「邦仁くーん、あんたのお父上はセコい事しますよねー。うちのオヤジ、カンカンですよー」



ケラケラケラ。人数が多いと油断するところが馬鹿丸出しだ。こうして脳天狙われてる事に全く気付きもしないのだから良いよなぁ。ゆっくりと車に近付く四人を見ながら、安全装置を外した。手前にいたチンピラに照準を合わせる。引金に指を掛けたその瞬間、「この野郎……ッ」そう低い唸り声と共に、涼司が引き金を引いていた。連続で鳴り響く鋭い破裂音。斉藤は涼司に応戦し、俺は舌打ちをした。撃ち合いになってしまえば照準がなかなか合わない。どうにかしてあの相馬組の連中を止めなければならないのに、焦れば焦るほど、照準が合わない。


その時、パンッ……と一発の銃弾が斉藤に被弾する。斉藤はその場で蹲り、涼司が目の色を変えて何発も撃ち込む。赤澤は腕を庇いながら、斉藤を支え、怒り狂う涼司を引いて車の後ろへと身を隠した。



「隠れんなや。この野郎」



チンピラのひとりは苛ついたようにそう吐きながら、何発も銃を撃ち、ゆっくりと赤澤達の方へ歩いていく。それに対抗するように涼司が撃とうと上体を上げようとするが、赤澤に「出るな」と止められている。涼司は反抗するように何かを赤澤に言うが、赤澤に足の怪我を指摘されているらしかった。そのまま斉藤を看てろ、とでも言われたのだろう。涼司は眉間に皺を寄せたまま、止血しようと斉藤の傷を押さえた。赤澤が何を考えているのか分かった。この状況はあまりにも不利。斉藤と涼司だけでも生かそうと動くのではないかと俺は踏んだ。あいつならそうバカげた事を考えてもおかしくはない。


だから俺は呼吸を整えて狙いを定める。赤澤が意を決したように上体を起こしたのを視界の端に捉え、ひとりの脳天を弾いた。耳に響く一発。脳天を弾かれた男の血が、横にいたチンピラの顔に飛び散った。チンピラ共は驚きに目を見開いていた。銃弾がどこから飛んできたのか混乱している様子だった。キョロキョロと辺りを見渡し、赤澤から視線を外す。俺はもう一度、狙いを定めて引き金を引く。相手が俺の位置を特定する前に撃ち込んだ。ひとりの上半身に被弾し、そいつがのたうち回るのを横目に残りのヤツらが銃を何発も撃っている。どこを目掛けて撃っているのか。俺はふっと鼻で笑ってしまった。そうしてチンピラ共は、カチャン、カチャンと数回、弾の出ない銃の引き金を引き、その恐ろしい現実を飲み込めずに血の気を失っている。



「ど、どこだ!」



ひとりが悲鳴に近い声を上げ、ひとりが替えの弾を震える手で装填する。その隙を赤澤は見逃さなかった。弾を替えようとしていた男に二発撃ち込み、俺も目を凝らし、もうひとりの脳天に一発。俺は一度深呼吸する。無音になった倉庫内、潮の臭いと火薬の臭いが混ざっている。



「お、おい……そこにいるの、誰なんだ…」



赤澤が怪訝な顔をしているのを見て、俺の口角はゆるりと上がった。赤澤は眉間に皺を寄せ、自分の銃を確認してゆっくりと俺の方を伺う。俺はその場に隠れたまま、数秒が無音と共に流れ、赤澤は銃を構えたまま、こちらへ歩いて来た。急に出て行ったら撃たれるだろう。条件反射のように引き金を引いてしまう可能性があるから、俺は暗がりから自分の持っていた銃を一丁、床に置き、それを赤澤の方に軽く蹴る。赤澤はその銃を足で止めて確認すると、眉間の皺を更に深くさせ、暗闇をじっと見ているようだった。あいつから俺の姿は見えないのだろう。やけに怖い顔だった。俺は手を挙げ、一歩、踏み出した。ゆっくりと、もう一歩。



「勘弁してくれない? 助太刀してやったんだから」



そう言ってやると赤澤の表情が一変して固まった。まるで幽霊でも見たようだ。俺は斉藤を指差し、そっちの方へ更に一歩踏み出す。



「良い? 撃つなよ」



「あんたな…」



赤澤が銃を下ろしたのを確認して、俺は斉藤の方へ駆け寄った。涼司が必死になって斉藤の止血をしようと、被弾部を押さえている。涼司は俺を見ると眉間にぐっと皺を寄せ、まるで猛獣のように俺を睨むものだから忠誠心ってのは凄いなぁと感心した。まぁ、睨んで威嚇するのが当然かと思いながら、ゆっくりとその場に腰を下ろした。



「助けたいならそこ退いて」



俺は組内で裏切り者だと大々的に公表されてるんだろうな。涼司は触るなと言わんばかりに場所を譲らない。



「涼司、」



赤澤が声を掛けてようやく涼司は手を離したが、「カシラ…」と不安そうに赤澤に訴える。斉藤の被弾場所を確認し、息があるかを確認した。大丈夫。まだ、生きてる。服の切れ端をその傷口部分に押し込むように止血し、怪訝な顔をしていた涼司を見上げた。



「今すぐ医者に見せないと死ぬよ。ここ、傷口を押し込むように止血して。赤澤、近くのお抱えはどこ。俺が運転する」



「え、っと…」



赤澤は何が何やら一瞬混乱したようだが、すぐに「港町医院、ここから5分くらいだ」と後部座席を開け、俺と共に斉藤を抱えた。



「涼司、お前は大丈夫か」



「え、あ、はい」



後部座席に斉藤と涼司、助手席に赤澤が座り、俺達はその場を後にした。赤澤の指示通り向かったその病院は、港町にひっそりと佇んでいた。赤澤が車内でその病院に電話をしていた為、裏口に車を着けると医者とふたりの助手らしい若い男性が担架を用意して待っていた。すぐに斉藤は運ばれ、脚を撃たれた涼司は小さな処置室にて治療される事になった。


薄暗い待合室、俺と赤澤のふたりだけだった。ソファに腰を降ろした赤澤の横に俺は立ちながら、うんと伸びをする。ポケットに手を突っ込み、ある物がきちんとそこにある事を確認した。これがあれば、いくら力の強いこいつでもどうにも出来ないだろう。


処置室から涼司の呻き声が聞こえている。赤澤は怪訝な顔をしていた。何を言うべきか、困惑しているらしい。



「青木、」



赤澤は俺を見上げると何か言おうとして口を開いたが、俺は何も聞きたくないと、そっと赤澤の方に片手を伸ばして甘く噛み付いた。唇を甘噛みして、歯列を舌でなぞる。舌と舌が重なると唾液が溢れる。赤澤の漏れる吐息を聞きながら、ポケットからある物を取り出して赤澤の右手首とソファの背のパイプとをくくって固定する。ゆっくりと唇を離し、呆気に取られる男を見下ろす。赤澤の眉間には深い皺が刻まれている。



「おい、これ」



赤澤はぐっと腕を引こうとするが手首はパイプ部分と繋がって離れない。結束バンドって本当にいい道具よね。力の強いお前も全く動けないんだからさ。そう言って笑うと、赤澤は舌打ちをして再度腕を引っ張った。



「なぁ、人生でこれ以上のしくじりはないと思うんだ」



赤澤を見下ろしながらそう言ってやる。



「これ……っ」



赤澤は何度も腕を引き、苛立ちを見せる。



「俺も落とし前つけないと。松葉さんと切田さんに伝えといて。命狙われてるから、ひとまず街を出た方が良いって」



「自分で伝えろよ」



「…なぁ、赤澤」



「……何だよ」



怪訝な顔を見下ろして、ふっと笑った。



「お前さ、本当は、俺の事、すげぇ好きよな」



俺は覚悟していた。これが最後になる。これは別れだからと自嘲しては可笑しくなって、言いながら笑ってしまう。なのに赤澤は一度深呼吸をすると、やけに真剣な目をして俺を見上げた。



「好きだ。もう、否定はしねぇよ」



面食らった。真正面からその言葉を聞く事になるなんて思いもしなかった。



「お前って、死ぬまで阿呆なんだろうな」



赤澤の頬に触れて、そっと軽く唇にキスを落とした。そして一歩、後ろに下がる。もう一歩。赤澤の眉根は寄せられ、俺は赤澤から離れた。



「今度は逆だな」



赤澤は溜息混じりにそうぽつりと吐いた。



「そうだね」



「あの時、あんた言ったよな。いつか、お前も分かるよ、俺の気持ち、組み敷かれて、欲をぶつけられて、立ち去る相手の背中見る気分、いつか、お前も分かるよ。って」



「これで分かったろ」



「組み敷かれてねぇけどな。…でも分かった気がするよ。なんとなく、な」



「アハハハ、それは良かった」



「……どうしても行くのか」



「そうね」



「あんた、死ぬぞ」



「俺はもう死んだよ。今、お前が見てる俺は幽霊なんだ」



「どんなに顔を変えたってあんたを見つける。良いな? どんな姿になろうが、絶対にあんたを見つける。次、見つけた時はもう二度と離さねぇ。あんたが何と言おうと、絶対に」



「相変わらず傲慢だな。…でもどんな姿になっても俺の事を見つけれンのは、きっとお前だけなんだろうな。ふふ。これもあん時の逆だね」



「……青木、」



「なぁ、俺は背中に紫色の麒麟なんて入れないよ。……けどもし、俺達に次があってお前が俺を見つけたら、紫色でお前の名前を彫ってやるよ」



「……ダッセェ…」



赤澤はふっと鼻で笑う。



「最高に良い告白だと思ったけど。お前の名前を体に刻んでやるって言ってんだから」



「…阿呆だな」



「阿呆だよ。俺も、お前も。………昔っから阿呆だろ」



ニッと笑ってやる。白い歯を剥き出して、これでもかと笑ってやった。赤澤の困ったような笑みを見ながら一歩とまた下がり、深呼吸して、その場を後にした。きっと赤澤はすぐに結束バンドを切って後を追ったろう。でも、もう、そこに俺はいない。だって俺は幽霊だから。またうんと伸びをして、暗がりの中、俺は消えて行く。


さようなら、赤澤。

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