静かなる復活

第15話

葵「大丈夫!皆無事だよ!

　　健二がロストナイトに向かっていったけど

　　きっと大丈夫…大丈夫だよ…」

葵の手を見ると震えている。龍一はその手を

そっと握った

葵「…?」

龍一「俺達は弱くねぇ!…そうだろ?…」

「うん!」と葵も龍一の手を握り返すが、急に

変な緊張が襲ってきた龍一はバッと手を離す

龍一の顔はほんのり赤く染まっている

葵「どうしたの?」

龍一「あぁ…これはあれだ!…仲間として

　　　握ったんだからな!…」

葵「ふふッ、分かってるよ」

葵の笑みに龍一も微笑み返す

龍一「行くか!皆のところに!」

葵「うん!」

・・・・・

晃「お前の大切な人はヒーローとして

　　戦ってたときのお前が好きだったんじゃないの

　　か?」

「何でも分かった気になってるんじゃねぇよ!

　本当ガキだな。

　顔は仮面で隠されているが声色で

　貴様らがガキだってことくらい分かる」

晃「だから何だよ…」晃の声が一段とドスの効いた

低い声に変わる。その声にロストナイトは

一瞬だが驚いた。

晃「ヒーローやるのに年齢なんて

　　関係ねぇだろ…

　　誰かを助けたい…守りたいって…その気持ち

　　さえあれば…」

「もういいか?ガキの説教なんか

　聞きたくねぇんだよ。

　もう終わりにしようぜ」そう言うとラストナイトは

今度は大きく振りかぶって剣を俺達に

振り下ろそうとしてきた

結菜が体全体に力を入れる、すると俺達を

囲むように紫のバリアが張られていく

カキンッ………

奴が振り下ろした剣はバリアにはじかれ

俺達には当たらなかった

そう、結菜も能力を持っているのだった

「へぇ〜、お前も能力持ってんのか?」

ロストナイトが少しばかり感心している

結菜「ちょっとだけだけど、しばらく

　　　時間が稼げる!でもそう長くは

　　　持たないと思う…

　　　その間に何か作戦考えないと…」

晃「分かってる…でも、どうすれば…

　　どうすれば…」

考えろ…考えるんだ俺……どうしたら奴を

止められるんだ…

、、、と俺達とロストナイトの間に一つの影が…

「ウッ……何だ貴様は…」

どうやら奴の物ではない剣がロストナイトの

腕にあたったようだった。ロストナイトの腕からは

血が、、、

「何者でもないさ。

　俺は俺だよ」

俺はこの人物を知っている…仮面で隠されているから

顔は分からないもののその声には聞き覚えがあった…

あの時助けてくれた…

振り返ったその人は「そのブレスレットかっこいいな」と俺達の腕を見ながらそう言った。

「お前達は一人じゃない。

　仲間がいる」とこうも言った

「おーい、お前ら大丈夫だったか?」と後ろから

龍一と葵がやって来る

ふと気付くと右隣に楓と健二もいた

左隣にはバリアを張ってくれている葵が。

俺達6人は自然と横並びに並んだ。

何も言葉を交わさずとも晃がジャンプすると

それに続いて皆もジャンプし

ロストナイトの方に向かってゆく。