第16話



「だから俺には勝てないんだよ…」とロストナイトは


剣を持ち直すが…




「!?!?!?」




楓はロストナイトの左隣に葵は右に


健二は真上から、結菜は下から


龍一が後ろに回り込み


晃は真正面から、皆で一気に攻める。




一斉に繰り出した皆のパンチがロストナイトの


体にめり込む。その腕にはブレスレットが


キラキラと輝いていた。




最後に晃のとどめの一発。




「うっ………うぉぉぁぁぁっ!………」




倒れたロストナイトは起き上がろうとするが


その気力はないらしい。




晃「やった……」


晃のその言葉に「やったな!」と龍一が声を掛ける。




ロストナイトに楓が近づき


血が流れている腕に手を当てる。




俺達はそれを傍で見守る。




「……ッ…ハッ……何をしている…」




楓「これがあたしの仕事ってゆうか、


  あたしの役目だから…


  死なれちゃ困るし、


  あたし達はヒーローだから……」




「こんなかすり傷で死んだりしない…」




「まっ、それもそうだね」と言いながら


楓は腕の傷を治した。




結菜「戻らない?ヒーローに」




「何言ってる…」




結菜「ヒーローに戻ってあたし達と一緒に


   戦おう?」


「!?!?!?」




葵「そうだよ!戻れるよ!」




「言うな…優しくするな!…俺なんかに」




龍一「おっさんも昔は優しいヒーローだったんだろ?


   世界を救うとか国を救うとか、本当に


   優しい奴じゃなきゃ、そんなこと思わねーよ」




健二「それにその顔を見れば分かる…なんてな…」




顔は仮面で見えない、、だが頬には涙が


流れていた。




晃「戦っても戦っても次から次へと


  悪は溢れてくる…でも諦めたら


  そこで終わりなんだよ!


  俺は一度諦めたんだ…


  だけど…もう諦めない…!


  自分の大切な人を守るためにも…


  希望を捨てちゃいけないって…


  一歩踏み出すだけで世界は変わるんだ…って


  そう信じて前に前に進んでいくしかない…」




「行こう」晃は皆にそう声を掛け


俺達は横並びで真っ暗な夜道を歩く。




龍一「ふぅー…なんかお腹すいたな」




楓「何か食べて帰っちゃう?」




葵「どっか空いてるお店あるかな?」




健二「いや、今どこも空いてないだろ」




結菜「晃?まーた、何考えてるの?


   当ててあげようか?」


結菜はにやにやしながら下を見ながら


何か考えている様子の晃に声を掛けた。




楓、龍一、健二、葵、結菜、「届いてるよ!」




晃「!?…」




「きっと俺達/あたし達の言葉は届いてる!


 そう信じるしかないだろ?/信じるしかないんじゃない?」






皆の声が重なった。




晃「あぁ…ありがとな!


  何食べるかなぁ…


  今、焼肉の気分だけど…」




俺達は何を食べるか、焼肉か寿司か、、、


うだうだ話しながら帰路につく。






俺達の戦いはこれからも続いていくのだ…………


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