第7話

「晃は何も悪くねぇよ」肩に手を置かれ


龍一にそう言われた。続けて「お前は間違ってない、誰も間違ってなんかない」と。




龍一「俺の方こそ悪かったな」




晃「へ?」何で龍一が謝るんだ…?予想外の言葉に


素っ頓狂な声が出る俺




龍一「あの時、お前を責めるような態度とって」




晃「当然だよ…俺からヒーローになろうって


  誘ったんだから…」


俺はあともう1つ言わなきゃいけない…






晃「あのさ!またあの頃みたいに戻れねぇかな?」




どんな答えが返ってくるのかが怖くて


俺は龍一の顔を見ることができなかった




返ってきた答えは「もちろんだ!」とゆう言葉と


1年ぶりに見た龍一の笑顔だった




「練習付き合ってくれてありがとな!」と龍一に


汗を拭けとタオルを渡され、「次は誰んとこ行くんだ?他の奴のとこも行くんだろ?」と言われた俺は


何で分かるんだよ…お前エスパーか?と心の中で


そう思った


俺の考えてることが分かったのか、


「お前の考えてることは分かるんだよ。


 何年一緒にいたと思ってんだよ。


 だけど…あの時は気付けなくてごめんな…」と


そう言われた




どれだけ一緒にいたって分かり合えないことはある…


ヒーローを辞めた俺に父さんが言ってくれた言葉だ


父さんと母さんだけは俺がヒーローをやっていたことを知っている


なぜか今その言葉が頭に浮かんできた俺は


「どれだけ一緒にいたって分かり合えないことは


 あるんだってさ。


 それも含めて仲間なんだって。」




龍一「何だそれ?名言か?」と笑われたけど


「でも良い言葉だな…」と龍一が小さく独り言のように呟いたのを俺は聞き逃さなかった




俺は立ち上がり「じゃ、また!行かなきゃいけないとこあるから」と龍一に片手を上げ


ボクシングジムを後にした

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