第6話

俺は家に帰り学校の課題をしながら


楓から言われたことを思い出す




「一歩踏み出せば世界は変わる」




人差し指と親指でくるくると回していたペンが


コトンッと机の上に落ちた




俺が一歩踏み出さなきゃ…


戻りたいんだろ…俺は…


まずは俺が変わらなきゃ…何も始まらないだろ…




俺は自分で自分の心に問いかける




よし…!みんなに会いに行こう!…




誰からにしようか…




俺は考えた結果、仲間の一人である龍一から


会いに行くことに決めた






・・・・・翌日


学校の授業が終わり、龍一がいるであろう場所へと


俺は急ぐ


どこの高校かも分からねぇし、龍一の家の外で待っていようとも思ったが、家にはいないだろうと


直感でそう思った




俺は目的の場所に到着し


外からガラス越しに中を見て龍一を探す




そこには…ミット打ちをしている龍一がいた


龍一は幼少期の頃からボクシングを習っている


ヒーローをやってた俺達の中で一番


戦闘能力が高いのは龍一だった




〜〜〜〜〜〜


龍一「なぁ!晃、スパークリングの練習


   付き合ってくれよ!」




晃「はぁ?俺ど素人だぞ?


  無理無理無理、ぜったい無理!」




龍一「いいだろ?ちょっとだけ!」




晃「俺…喧嘩強くねぇし…」




龍一「なぁ頼むよ」




龍一の頼みに断りきれなくて


スパークリングの練習に付き合ったんだ…


1回きりだと思ってた俺だけど


手では数え切れない程に練習した




その時はまだ小学生だった俺達






中からガラスを叩く音で我に返った俺


目の前には龍一がいて


中に入ってこいと手でアピールする




俺は中に入り「ごめ…」


ごめんと言おうとしたがそれを遮り、龍一は


「スパークリングの練習付き合ってくれ!」


そう言った




晃「え?」




龍一「だ、か、ら、スパークリングだよ!」


ヘッドギアとグローブを渡される




ヘッドギアとグローブをつけるのに


もたつく俺は先にリングに上がっていた龍一に


「早く来いよ」と呼ばれ俺もリングに上がり、「じゃ、3分な!」と龍一の声に俺も「おう!…」と応える




「じゃ、始め!!!」龍一のその言葉で


スパークリングの練習を開始する




ビシッ…バシッ… シュッ……シュッ… パシッ…




俺は龍一についていくのがやっとだった


残り1分の数字が見えたとき


「はぁッ…はぁッ…ごめん…」と俺は口を開いた




龍一「はぁッ…はぁッ…何が?


   何で謝るんだよ」




晃「恨んでるだろ?俺のこと」




龍一「恨む?何で」




数字が0になり、俺達は座り込む


まだ余裕がありそうな龍一を横目に


俺は呼吸を整えてから続きを話し始めた




晃「俺のせいで…俺があんなこと言ったから…


  みんなが離れ離れに…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る