1. 青春
反抗期真っ只中、思春期真っ只中。 そんな中、久保 春仁は隣に引っ越して来た。中学2年の春のことだった。
「はじめまして、久保 春仁です。明日から、東第一中学へ行きます…。よ、宜しくお願いします!」
引っ越しの挨拶に来た春仁は、玄関先で恥ずかしそうに照れながらそう挨拶した。雪みたいに真っ白い肌をしたやつだなと、その時思った。髪の色と比例して薄い茶色の瞳は柔和なイメージを持たせるが、実際の性格も驚くほど柔和で温厚なやつで、笑うと右の頬にだけえくぼができた。
春仁の父親は見るからに優しい人で、春仁の母親は天然でいつも和やかで、春仁の兄と姉はしっかり者だが少し抜けているところがあり、春仁はその兄弟の中でダントツでのんびり屋で、柔和な人間だった。春仁は母親似ですぐに笑顔を見せる。癖かのように口角を上げる。いつも穏やかに楽しそうな春仁を見ていると、思う事があった。
こいつは自分とは全く違う世界の人間なんだ、と。
俺は人との付き合いがお世辞でも上手いとは言えず、常に荒れていて、家族とは少し壁があり、喧嘩だけが無駄に強かった。そんな俺からすると隣に越してきた春仁という男は異世界の生き物だった。
自分が小学4年の春、親は離婚した。小学6年の春、新しい父親ができた。その頃から家族とは壁を作るようになっていったのだろう。新しい父親は立派な人だった。弁護士だというその人は賢くて、本当に優しい父親だった。実の父親はいつ見ても怖い顔をしていて、無口で、母との関係も冷え切っていた。きっと、学もあり賢く美人な母とは釣り合わなかったんだろうと、今では心底思うが、当時は父がいなくなった事が結構、俺には堪えていて新しい父親を受け入れる事は難しかった。俺は実の父親が好きだった。なぜ、母と結婚できたのか不思議なくらい学もなく、無口で、何より背中に大きな和彫りの龍を飼っていて、酒が入るといつも母と口論していたけど、新しい父親より俺は、実の父親の方が心底安心できたし側にいたかった。
実の父は怖い人だった。でも、心の底から凄いと思える絵を描いた。怖い父も何か絵を、たぶん刺青の下絵だったのだろうが、刺青のデザインをスケッチブックに描いている時は表情が優しかった。父は、その界隈では有名な彫師だった。人の体に一生もんの絵を描く人だった。
そんな父と母は長いこと別居し、小学4年の春、離婚が成立し、父はどこかへ消えたのだ。悲しかった。何も出来ない自分が悔しかった。なぜ、俺は母に引き取られたのかは未だに分からない。いや、父が俺を欲しいと、育てたいと、側に置きたいとは思わなかっただけ、なのかもしれないが。なぜ、父は俺を引き取ってくれなかったのだろうと、時々ふと思う。母が俺の親権を強く主張したのだろう事は容易に想像できるが、父は何も主張しなかったのだろうかと思う時がある。
新しい父は俺より3つ上の兄を連れていて、兄は頭も良いし、運動もできるし、誰にでも優しい完璧な兄で、どこかいつも苦手だった。劣等感を感じるからだろう。なんでも器用に熟せるのは、なんだか母に似ていて苦手だった。父を捨てた母が嫌いなわけじゃない。けれど、不器用な父に似た自分は、なんでもできる人が少し苦手になっていたようだ。無口で怖い父だったが好きだった。
でも母はそんな父を嫌い、新しい父と幸せに暮らす。再婚した当初はその環境が受け入れられなかった。理由はきっと、俺は父に似ていると自覚していたから。俺はどこかで捨てられるんじゃないのかと思っていたのかもしれない。だから日に日に居心地の悪さというものが増していったのだろう。しばらくして弟ができ、弟は誰からも愛された。それは追い討ちをかけるように俺は感じていた。自分は家族からまったく愛されていない、とは思っていなかったが、ただ、なんだか、居場所がないように思えて仕方なかった。
きっと被害妄想なんだろう。そんな事は分かっていた。新しい父も母も、新しい兄貴も、いつだって俺の側にいたし、優しかったし、笑いかけてはくれていたが、それでも、俺は家が好きではなかった。学校が終わっても家には帰らず繁華街をふらつき、早く大人になりたいと思うようなガキだった。
そんな日々を送るような子供で、ふわふわと陽気な春仁とは挨拶に来た時以来、あまり顔を合わさないようにしていた。 いつだって、眩しすぎる存在というのは目を逸らしたいのだろう。しかしその年の夏休み、たまたま春仁を意外なところで目撃した。
「なに、してんの」
訊ねると、春仁は目を大きく見開いて驚いていたが、すぐにヘラっと表情を崩して俺に笑いかけた。
「びっくりした…蘭くんかぁ! 久しぶりだね」
にっこりと笑顔を向けられ、俺はどうしていいのか分からなくなった。愛想良く笑えば良いのか、無愛想に突っ立っていれば良いのか。俺はきっと見るからに困っていたに違いない。普通ならあんな所で立ち止まってる知り合いを見つけても、声なんかかけないのに。なぜか声をかけてしまい、そして笑顔を向けられてしまい、俺は眉間に皺を寄せていた。
「だから何してんの? ここで」
「ここ、この前、通った時に見つけて、すごくカッコいいなぁって思ってたの。なんていうのかなぁ、絵画のデッサン? 下絵みたいなのを、ずらーっと置いてあってね、これなんかも、すごいよねぇ」
窓に貼られている刺青の下絵を絵画の下絵だと嬉しそうに話す春仁は、その店の独特な重い雰囲気も、暗い外観も、何も気にしていないようだった。
「それ絵画じゃなくて、刺青の下絵だと思うよ。ここ、刺青を彫る所だから。和彫り専門の」
下絵をじーっと見ていた春仁は、そこがなんの店かも知らなかったようで、彫物屋、タトゥーショップ、と聞いて、ほう、と小さな驚きを顔に出した。
「こーいう所で、イレズミを入れる事ができるんだね! 体にこんな絵があると、なんだか毎日楽しくなるかもしれないね。この龍とか、カッコいいね! こっちの手がいっぱい生えてる人も、カッコいい!」
あの頃の春仁は本当に予想外のことばかり言った。彼が見ていた刺青のデザインは、どれも和彫りと呼ばれるもので、よくヤクザが背中に背負っている龍や虎、鯉や麒麟、千手観音に騎龍観音と、厳ついデザインばかりで、まさかこれを見て楽しくなる、と言われるとは思わなかった。 きっと和彫りとヤクザがイコールにならない人間なのだろう。純粋で、温厚で、柔和な人間。それ、素なのか、と聞きたくなった。きっと成長していくにつれて色々知って、純粋さを無くしてしまう、なんてオチ、ないかな? そうヘラヘラ笑っている春仁を見ながら思っていると春仁は俺を見て首を少し傾げた。
「蘭くんは、イレズミを入れたいと思う?」
「俺? いや、どうだろう…」
父の背中を見て来たが、入れたい、と思った事はなかった。入れたくない、と思った事もなかったが。もちろん刺青に対する抵抗も偏見もないのだが、ただ考えた事がなかった。そんな俺に春仁はにっこりと、また優しく笑う。
「蘭くんの肌は健康的で、小麦肌っていうのかな? 日焼けしててカッコいいから似合うだろうな」
そんな事、言われた事もなかった。
「で、でも、刺青は、肌が白い方が似合うんだよ…映えるから」
だから俺は少し、動揺したらしかった。
「白い方が? えーそうなの?」
「きっと俺より、あんたみたいな肌のが好まれると思うけど。色が白くて、キメの細かい肌っていうやつ」
「詳しいね」
詳しい、と言われて、しまった、と思った。前の父が彫師だってことはきっと知らないだろうし、離婚してることも知らないだろうから。母にとって元夫が彫師なんて、柄が悪いし、良い印象を与えないからあまり話したくない、というのは口には出していないが、態度がそう語っており、母にとっては触れて欲しくない話題なのだろうと思っていたから俺もあまり口に出さないようにしていた。だからしまった、と思った。 言わなきゃいけない状況を自ら作ってしまったのだから。けれど、春仁は驚いたりも、嫌悪したりもしなかった。
「なんだかカッコいいね、こういうのに詳しいって」
カッコいい、とまた何の躊躇もなく春仁は褒めてしまう。その言葉に拍子抜けしてしまい、妙な緊張なんてものはとっくに消え、俺はただ、春仁と話したいと思うようになっていた。未知の生物であるこいつの事を知りたいと、そしてもう少し近付きたい、と。
「…俺ン家さ、離婚してんだよ。今の父親は俺の本当の父親じゃないんだ。俺の本当の父親は彫師でさ、つまり刺青を彫る人なんだ」
なぜ春仁には何でも話せたのか。不思議だけど、きっと、春仁の性格がそうさせたのだろう。ほんわかした新種の生物、と捉えていたし、同じ人間だとは思えなかったし、何を言ったところで、こいつは否定しないだろうと思った。
「へぇー、すごいなぁ! ずいぶんと絵が上手いんだね」
春仁は目を大きくして心から凄いと褒めたようだった。
「絵はすごく上手かった。彫る腕も凄かったんだと思う」
「そうかぁ、人の体に消えない絵を描くんだもんなぁ。カッコいいなぁ…憧れちゃうなぁ」
ほんと、こいつは引かないんだな。それがすごく印象に残った。刺青が怖いという概念が全くないこいつとなら仲良くやっていける、そんな気がした。春仁は他の人と違う。何か特別だと、思った。子供ながらに春仁みたいな人間は安全だと、自分にとって心地良い存在だと、そう思った。
それからというもの、俺は春仁と行動を共にするようになっていた。夏が過ぎ、秋がきて、冬になっても、俺は春仁と一緒にいて、春仁は変わらず温かかった。何も変わらない穏やかな友人と大半の時間を共に過ごした。それは家族といるよりも心地が良かった。
反抗期は家族より友達の方が居心地いいと感じるだろう。そんなもんだろうと思っていたが、反抗心の塊みたいな時期が過ぎても、まだ家族よりも春仁といる方が居心地がいいことに気付いた。家族とは分かり合えなくとも、春仁となら分かり合える。一緒にいて楽しくて、安心できて、何よりも気が楽だった。背伸びをしなくて良いから。父の影を消す努力をしなくていいから。兄弟との比較を気にしなくていいから。愛されてるのかどうかを、いちいち気にしなくていいから。
大袈裟かもしれないが春仁さえいれば、俺は生きていけるとさえ思った。そんな重い言葉、決して本人には伝えられないけれど、そう思いながら側にいた事は確かだった。
「蘭は、高校どうするの?」
けれど、進学という道は少し残酷である。
「トザ高、かな。そこの男子高」
「そうなんだ!」
「ハルは?」
「うーん、西高に行く予定だよ」
「あー、進学高だもんな」
進学は俺から唯一の友達を遠くへ離してしまうキッカケになる。そう考えると胸が苦しくなって、進学することが苦痛で仕方なかった。毎日が憂鬱になり、時間よ止まれとどれほど願ったことか。
それでも時間は止まる事がなく過ぎて行き、中学最後の夏。セミが騒がしいくらいに鳴いていた。夏の暑さをより際立たせていた夏の午後だった。夏の暑い日差しで、アイスが溶けかけ、春仁は急いで残りのソーダ味のアイスを口に入れる。それを飲み込むと、「それにしてもあちぃーねー」と手でパタパタと仰ぎ、暑いと訴えながらベンチの背もたれに寄りかかった。 俺は制服のズボンの裾をまくりあげ、「足首出すと少しは涼しいぞ」と言うと、春仁はすぐにそれを真似た。
「あー本当だねぇ」
ふぅ、と息を吐くと、春仁は俺の足首についていたミサンガを指を差し、「オシャレだね」と笑う。
「切れると願いが叶うってやつだよね? 何か願い事してるの?」
「……してる」
そんなの信じてるってガキだと思われるだろうか。でも頷いた俺に春仁は目を輝かせ、
「何を願ったの?」
そう興味津々だと言わんばかりに聞いてきたが、答えられるわけがなかった。
「それを言ったら、願いが叶わないから言わない」
"春仁の近くで生きていけますように。一生を良い友達でいいから、一緒にいられますように"
この願いは、春仁には絶対に聞かせることはできない。なんて重い友情なんだと軽蔑されるのが怖かった。それに多分、いやきっと、自分が春仁に抱いている感情が"普通"の友情ではないと気付き始めていたから、余計に口にだしてはいけないと思った。
「あ、そっか! ごめんごめん! 誰かから貰ったの? それとも作った?」
春仁は片えくぼを作って愛らしく笑う。
「兄貴から貰った」
「へぇー、いいなぁー!」
「…いる?」
「え? い、いいの?」
「新しいの、一本ある。…二本くれたんだけど、そんなに願い事ないからつけてなかった」
「え! 嬉しい、ありがと!」
その無邪気な反応と屈託のない笑みに、心臓がヒクッと跳ねた。大丈夫。これはただの友情。大丈夫。大丈夫。兄貴のアメリカ土産のカラフルなミサンガは春仁の手に渡り、原色で編み込まれたそれは、俺のとは配色が少し異なるがお揃いも同然だった。よくクラスの女子がお揃いのモノを身につけ、キャッキャッはしゃいでるが、少しだけその気持ちがわかった気がした。お揃いって、なんだか嬉しいもんだ。誰も知らない、ふたりだけの絆のようなものを証明してくれている気がするから。それはまるで、互いが強い絆で結ばれた大切な存在だと認めたようで、ふたりの関係は誰にも邪魔できない、そう示しているようだから。たとえ春仁はそんな事、これっぽっちも思っていなくても、勝手に思う分には良いよな…? なんて、じりじりと俺は感情を拗らせていくばかりだった。
「これ、どうやってつけるのかな?」
春仁は眉間に皺を寄せ、足首のミサンガに苦戦していた。
「普通に、結んだけど」
そう答えると何を思ったか、ミサンガの縛り口をリボン結びにした春仁は、抜けている、というかなんというか。
「いやいや、リボン結びって、あのねぇ…」
「えへへ、とても可愛い感じになっちゃった。だって普通にとか言うからさぁ、こうかなーと」
「普通に、って言うのは解けないようにしたってことで…」
「ほぅ…」
春仁は難解な問題を突きつけられたような顔をした。
「なんだよその顔。…結んでやろうか?」
「ありがとう! じゃぁ、僕は願い事を考えるね。えーっとねぇ…」
しかしこの男の感情というのはとても簡単で、あっという間に笑顔を見せて、俺に左の足首を差し出した。その笑顔につい、つられて笑みをこぼしてしまう。
やっぱり良いなと思った。何でもしてやりたい。こいつの願いとやらも叶えてやりたい。でもこいつの中で一番の存在になりたいとも、傲慢にも思ってしまう。春仁は座っているベンチに左足を乗せ、俺の方に体の向きを変えた。俺はそっとその白い足首に触れ、ミサンガを結んでやると、春仁は俺に差し出した左足の膝に頬をつけてじっと俺を見つめていた。
「…なに」
あまりにもじっと見てくるものだから、気まずくなってそう聞くと、春仁はまたいつものようにヘラヘラと笑う。
「これ、結んだ本人の願いが叶っちゃうかな? 僕の足首についたミサンガを蘭が結ぶ、これ、蘭の願いが叶うって事になるかな?」
「あー確かに。でも、もう結んじまったぞ。まぁ、俺はお前の願いが叶うように願いながら結んだから、どっちにしろお前の願いが叶うんじゃねぇの」
「ふふ。蘭ってそういうとこ、あるよね。カッコいいなぁ。手先も器用だし、尊敬しちゃうな」
「これを結ぶのは器用なうちに入らないと思うけど」
あんたが不器用なだけだよ、と心の中で呟いたことは、もちろんナイショである。
「でも蘭って絵が上手いしねぇ、細かい絵とか描くし、裁縫とかもできちゃうし、やっぱり器用だよね? お父さんに似たのかな」
「絵は確かに父さんのを見て育ったから、かな。裁縫は母さんが仕事であまり家にいなかったから、必然的にできるようになった、ってだけ。服とか結構好きだしね」
「絵の才能はお父さん譲りかぁ。カッコいいなぁ。服もいつもカッコいいもんね。オシャレだもんなぁ。私服の時の蘭ってさぁ、どー見たって同じ年には見えないよなぁー。大人っぽくて、横に並ぶのちょっと恥ずかしくなっちゃうよ。あーあ、僕なんてなんにも出来ないのに、蘭はなんでも出来るし、すっごい自立してるよね。羨ましいなぁ」
誰かに羨ましいと言われるなんて思った事がなかったから、素直に羨ましいと言われて嬉しかった。誰もが母の味方についているように見えたし、誰もが父の事を悪く言うように思えてならなかった。本当に嬉しかった。
春仁は不思議な存在で、だーれも近寄らないような、よく怖がられていた俺とこうして一緒に過ごしては、俺に癒しをくれていた。まぁそれは別に、俺にだけ、というわけではないのだが。春仁には不思議なパワーがあってそれは誰にでも効果があった。周りを和やかにする癒しのパワー。イライラしていても春仁が側にくると、その苛立ちは何処かへ消えてしまう。全くもって、不思議である。だから、だろう。それもひとつの理由だろう。一緒にいたいと強く願うのは、この未知なる生き物、春仁が使う不思議なパワーのせい。だからそこにやましい感情とかは一切ない。…なんて呆れるほど陳腐な暗示をかけて、本音は遥か彼方に追いやったのが、中学最後の暑すぎる夏の出来事。
ただの友達として関係を築き、あっという間に中学を卒業し、俺たちはそれぞれの高校へと進学した。とはいえ家が隣だから顔を合わせようと思えばいつでも会えた。この事は本当に救いだった。朝はなるべく一緒に登校するようにした。ふたりで歩き、電車に乗り、俺が先に降り、春仁はずっと笑顔で手を振って見送ってくれる。高校へ進学した始めのうちは、帰りも一緒になることが多かったが、次第にそれは減っていった。仕方のない事だった。春仁は習い事を習っていて、わりといつも忙しそうだった。
何の習い事か、それもまた未知なる生物らしく、俺にとっては未知の世界の習い事、バレエ、である。3才からだと言う。だからなのか、背は俺と同じくらいなのに、意外とがっしりした体型で、でもすらっと手足が長くて美しく逞しかった。そんな習い事があったせいで週に2日は早く帰ってしまうから会えなかったが、それ以外はどうにかして一緒に帰っていた。他愛もない話をずーっとしていた。春仁の隣は心地良く、何をしていても楽しかったし何をしていても安心できた。無理矢理都合を合わせるのが日課になっていた。
けれど秋頃になると、春仁は高校でできた友人と遊んで帰るようになり、またひとりになることが多くなった俺は、街で相変わらずふらついては喧嘩した。殴り、殴られ。蹴り、蹴られ。血を流してはアザを作り、ボコボコに相手の顔面を殴り続ける。そんな事も、俺にとったらただの時間潰しでしかない。春仁と過ごせない空虚な時間を潰すためのひとつの方法でしかなかった。
春仁とたまに時間が合うと公園で夜まで語ってみたり、DVDを借りに行って春仁の家で観たり、部屋にこもってゲームをしたり、十代の多感な時期のほとんどは、春仁と共に過ごしていただろう。青春はこの穏やかすぎる平和人間と共に、というわけだ。
春仁は他人の悪口を決して言わない。 悪い言葉も使わない。苦しいとか、しんどいとか、死にたいとか、冗談でも言わなかった。一度だけ長い坂道をひたすら登った時、さすがに「疲れたよー!」と叫んだが事があったが、それ以来、疲れたという言葉も聞いたことがないくらいだ。そんな平和人間だから、当然のように周りに人が集まる。のほほーんとしたこの男の周りにはいつも人がいた。男も女も年齢も関係なかった。
公園で幼稚園児と話している春仁をたまたま目撃したとき、春仁は宇宙人で、何か子どもを引き寄せる周波みたいなのを出してるんじゃないかと思ったほどだ。本当はすごい悪い宇宙人で、子どもを拐う為に何か周波を出していて…、なんてぶっとんだ想像をしてしまうほどだった。
俺にとってだけでなく春仁は癒しだった。どいつもこいつも春仁が好きで仲良くしたがった。俺といる時間なんて、どんどん少なくなり、いつしか会わなくなるのかもしれないなと怖くなって少し荒れたのが高校1年の冬だった。寒くなると余計に人肌が恋しくて、余計に春仁を欲した。
ある日、いつものように街をふらついていると、たまたま春仁を見かけた。風が肌に突き刺さるような寒い冬だった。春仁はチェック柄のマフラーで、口もとを寒そうに隠していたがすぐに春仁だと気付いた。
ひとり歩いていた春仁は、まず花屋に行って花束を買っていた。あの日は春仁の姉さんの誕生日で、俺の兄貴のテンションが朝から高かったのを覚えている。春仁は花屋の女性店員と話しが弾んでいるようで、その店員は楽しそうに笑うものだからなんだか少し嫉妬した。何を嫉妬してるんだと、勝手に見ておいて馬鹿かよと自分の気持ちに腹が立った。でもやはり嫉妬して、苛立ってしまう。女性店員と話しているあいつを見て思った。あいつの癒しや愛情も、特別に注がれる相手がいつかできてしまうのだろうな、と。そう思うと俺はどうしようもない苦しさに溜息ばかり漏らして、ちりちりと胸を焦がすようだった。これが冬の話し。
そんな風に苛立ったり落ち込んでばかりもいられず、少しは春仁から離れなきゃなと思ったのが、高2の春。高校生でも雇ってくれるバイトを見つけてバイトに入り浸った。高校で数人できた友達のひとりが紹介してくれたバイトで、そいつの兄貴がやってるバーの清掃兼ウェイターだった。楽だし金も稼げるし時間も潰せる。春仁とは週に一度会えればラッキーというくらい会う機会は減っていた。どうやら大学のために塾にも通い始め、バレエがない日は塾で、朝も早くに学校へ行って勉強してるようだった。住む世界が違うってのは元から感じていた事。ただ中学の時は互いに時間が合ったから、一緒にいる事ができた、それだけの事。連む連中も違えば、目指すものも違う。仕方がねぇわな。そう納得しようと努力したが、会えなくなればなるほど、なんだか春仁からだけ得られる癒しエネルギーみたいなものがなくなって、溜息は増し、春仁を欲してはひどく荒れる毎日だった。
ある日、いつものように他校の人間に絡まれ、喧嘩して、少しだけケガを負った。右の眉の下をパックリと切っただけだったが、血がかなり出て焦ったのが正直なところ。仕方がないから公園のトイレで大量のトイレットペーパーを取って傷口に当てたまま、バイトへ行った。出血はもう止まっていたし痛みもないし、俺はまったく平気だったが、バイト先のオーナーにかなり怒鳴られた。
「ここへくる前に病院行け、馬鹿野郎!」
その怒鳴り声ときたら、今にも殴ってきそうで怖かった。
「いや、でも、もう血ィ出てないし」
そう言って傷を見せると、オーナーは飽きれた顔で傷を一瞬見て目を逸らす。
「うーわ、見れない見れない。血とか生々しいし、傷とか苦手なんだよ、見せんなよ。でも、それ、本当に結構エグいよ。パックリやってんじゃねぇの。痕残んぞ」
「傷痕残っても別に問題ないスよ」
「早く病院行って、縫えばほとんど痕は残らねぇのに」
「大袈裟っスよ。痛くないし、大丈夫ですって」
「せっかくの綺麗な顔に傷がついちまって。もったいねぇーなぁ、本当」
何をこの人はトンチンカンな事を言ってるんだと、オーナーの言葉に違和感を覚えた。
「は? 何言ってんすか」
俺が苦笑いすると、オーナーは片眉を上げて、八重歯をむき出して笑うと、ポンと俺の肩を叩いた。
「いつも不機嫌そうなキレイな顔が台無しだって言ってんだよ。お前、モテんだろ? 明日から女の子達が悲しむぞー」
「いや、男子高ですよ」
オーナーはやけに俺を気に入っていた。きっといつか、バーテンにでも誘いたかったのだろうとその時は思ったが、今思えばこのやり取りも含めて、オーナーが俺を特別視していたのは間違いなかったように思う。よく褒めてくれたし、よく奢ってくれた。それに、よく俺に触れるようだった。
けれど俺はその一種のアプローチのようなものを無視していた。当時は明確には分からなかった、といえばそうだけど妙な感覚ってのはあって、自分でも変だと気付いてはいた。けれどその感覚を追求するのを恐れた。何か踏み入っていけない気がしたから。自分の感情と向き合う事になるのを、避けたかったから。
そしてその日はバイトをさせてもらえず、傷口に絆創膏を貼って帰され、俺はとぼとぼと帰り道を歩いていた。春仁とよくいた公園を通ると、偶然にも春仁と出くわした。春仁はベンチで本を読んでいた。会うのはいつぶりだろうかと考えていると、春仁は俺に気付いて満面の笑みを浮かべていた。笑顔で俺を見てくるから、最後にいつ会ったかなんてどうでもよくなるのだ。
「蘭! 久しぶりだね!」
「おう、久しぶり」
「今、帰り?」
「うん、まぁ…ハルは?」
「うん、帰りだよ。今日はね、バレエが急になくなっちゃって、だから久しぶりに公園に来てみたんだ。この公園、花がたくさん咲いてるし、ベンチも多いし、居心地いいから。…それより、どうしたの、それ。ぶつけたの?」
春仁は俺の眉下にある絆創膏を指差した。
「あーこれ? ……ん、ぶつけた」
そう咄嗟に嘘をつく。平和人間の春仁に喧嘩の話しなんてしたくなかったのかもしれない。喧嘩したなんて言ったら、きっと嫌な顔をされる、そう思ったからだった。
「うわー、気をつけてね。あ、ねぇ、良かったら、座らない? 久しぶりに少し話そうよ」
立っていた俺に春仁は隣に来るようベンチの隣をぽんぽんと叩き、俺はそれに従った。腰を下ろすと春仁は明らかに顔を輝かせ、嬉しそうにする。春仁は感情をよく表に出す。それがとても心地良かった。
「最近、なかなか会えないから悲しかったよ。バイト始めたんだって?」
会えないから悲しかった、なんて簡単に言ってしまうんだもんな。参るよな。その言葉に舞い上がりそうになっては感情をぐっと押さえつけ、頬が緩まないよう慎重に言葉を発した。
「あぁ。友達の兄貴のバーで働かせてもらってる」
「へぇー、すごい! バイトしてるのかぁ」
「んーまぁ、時間潰れるし」
「そっかぁ」
春仁は「蘭はバイトかぁ」となぜかしみじみと呟いた。
「どんな所なの? バーってやっぱ賑やか?」
「ん、まぁ、そう、だな…。けどメインは清掃だから。ウェイターもしてるけど早い時間帯しか入れないし、混む時間帯は相当賑やかだと思うけどな」
「そっか。みんな良い人? スタッフとか、バーテンさんとか」
「うん、まぁ、良い人だよ」
なんだかあまりバイト先について触れてほしくなくて、俺はすぐに話題を変えようと新しい話題を考え、「それよりハル、背ぇ伸びた?」なんて露骨に話題を変えた。もっと何か良い話題があったろうに。後悔しても遅い。
「うん、いま、成長期なの。180あるよ。まだまだ伸びるかなー」
あのゆるーい、のほほーんとした男が180もあるなんて。デカいなと俺はつい目を丸くしてしまう。
「…そこまで伸びてるとは思わなかったわ。この前まで同じくらいだったのにな」
「蘭、ちょっと小さくなったもんねぇー」
「ハハ、お前からしたら、そうかもな」
「蘭はいくつあるのー?」
「この前測った時には、75だったな。去年から変わらねぇーのな。止まったかなぁ」
「ほほーう」
「なんだよ、その顔。腹立つなあ」
「ごめんごめん。そっか、蘭の方が小さいんだ」
「嫌味ですか」
目を細めると春仁はえへへへ、と溶けたように笑いながら否定した。
「違うよぉ。別に嫌味じゃないよ。なんかさぁ、最近、急に伸びだしたんだよね。自分でも驚いてるんだ。制服が七部丈とかになったらどーしよーって! かなりダサいよね? それってかなりダサいよね?」
笑いながら言うもんだから俺もつられて笑った。「それはダセェな」と言うと、「ガーン、だよねぇ」と春仁は呟いてしょげて見せた。そんな風に話していると、気付かないうちに空いていた溝は簡単に埋まる。また昔のような空気感に戻り、その日を機に、またふたりで時間を共に過ごす事が増えた。
そして2年の夏頃から受験ムードは加速し、春仁も塾とバレエで忙しい毎日を送り、俺は俺でバイトに入り浸り、また互いに顔を合わせなくなっていた。3年になるとほぼ春仁と会う事ができず、俺は無事に服飾の専門学校へ合格し、受験組の春仁は相変わらず忙しそうである。冬。春仁と顔は合わさなくなってしまったが、受験勉強中か、頑張れよ、と春仁の部屋の窓の明かりを見ながら密かに応援していた。
早く、こんな冬が終わればいい。毎日毎日、退屈な日々を過ごして、春仁の部屋の明かりを見る度にどうしようもない感情に頭も体も混乱した。会いてぇな。そうは思っても、誘えない。俺とは違ってあいつは忙しいわけで、簡単に誘って良い相手ではない。帰宅時に春仁の部屋の窓を見上げながら、顔、出さねぇかなー、と何度も思ったが、都合よく春仁が顔を出す事は無かった。会えない時間が増えれば増えるほど、春仁への想いは妙な方向へ転がっていきそうで怖かった。
どうしてこうも四六時中、あいつの事を考えてるんだろう。暇だから? ただ遊びたいから? それだけじゃ、ない? 嫌な事に気付きたくはない、と、気持ちに蓋をして、友達だと暗示をかけて毎日を過ごした。高校を卒業する頃、暗示の効果はほぼなくなっていることに気付かないふりをした。冬が終わると、春仁はメールで合格を伝えてきた。「おめでとう!」と返すと、「ありがとう!」と返事がくる。 嬉しさ余って「今から会えないか?」と聞くと、「会えるよ!」と返事がくる。すぐに返ってきた返事が物凄く嬉しくて、俺は急いで家を出た。春なのに寒すぎる春の空の下、久しぶりに会える春仁に心底嬉しくなってしまう。何時間でも待てるな、会ったら何て声を掛けようかとワクワクしている自分に少し、嫌気がさした。何を浮かれているのだと。ただ、久しく会えていなかった友人と会うだけじゃねぇか、と。
浮かれすぎないよう深呼吸をし、最寄りの駅で待つこと15分。混み合う駅前だったが、春仁は目立った。ひょっこり顔を出した春仁は背が高く、人混みの中でも頭ひとつ分出ているからすぐに分かった。春仁は寒そうにマフラーで口元を隠して肩を窄めている。雪のように白い肌、寒さで鼻先を赤くして、鼻をすすって俺の前に現れた。
「おめでと」
そう声を掛けると、春仁はへらっといつものように笑顔を見せる。
「えへへ、ありがとう! あ、てか、久しぶりだね!」
「そうだな、久しぶりだな」
「元気、してた?」
「おう。お前は?」
「うん、元気だったよ!」
「そうか」
そう少し微笑むと、春仁は急にぱぁーっと顔を輝かせ、嬉しそうに「蘭だー」と俺の存在を確認した。
「久々の蘭だ」
「そう、だな。久々のハルだ」
春仁はまたえへへ、と笑うと、帰る方向へ歩き出した。
「ねぇねぇ、やりたい事がたくさんあるんだけどね、蘭は今夜暇かな?」
「おう。暇よ」
「よかったぁー! 僕の部屋で録画してたドラマ観ない? 良かったら、オールで! お菓子とか大量に買っちゃったりしてさ!」
急なお誘い、しかも泊まりだってよ。舞い上がらないわけがない。何かあるというわけではないのだが、俺は嬉しかった。春仁と時間を過ごせる事が、心底、嬉しいのだ。
「いいね。スーパー寄って帰ろうぜ」
「うふふ、うん。寄る寄る! 駄菓子たくさん買いたい!」
「おう、買おう」
「えへへ」
「あ、けどさ、ハル。お前、家族で合格を祝ったりすんじゃないのか?」
そう俺が訊ねると、春仁はうーんと少し考え、携帯を取り出して何やら確認をした。
「あ、晩ご飯は外食するって言ってたの忘れてたや。長くはならないと思うけど。じゃぁ、一旦スーパー寄ってお菓子買ってー、ジュース買ってー、一度解散? そんでそんで、ご飯食べ終わったら電話していい?」
「おう。了解」
「へへへ。蘭と久しぶりに会えるから、舞い上がってて家族との予定忘れてた。ごめんね、僕から誘っておいて」
「え、あ、いや、……大丈夫」
俺と久しぶりに会えるから舞い上がったと、目の前の男はサラッと口にする。その言葉に俺は動揺し、口ごもってしまったが、春仁にはバレていないようだった。ドキドキと心臓の音がうるさい。春仁の言葉にいちいち浮かれたくはないのだが、体はとても正直で、少しでも嬉しい言葉を掛けられると心臓が跳ねてしまう。もうこれは、ただの友情では、ないのでは? と思ってしまうが、安定に否定をする。いや、違う。ただの友人だ、と。
「買いすぎたねー。食べ切れるかな?」
「大丈夫だろ。別に今日一日で食い切らなくたって良いだろうし。そんなに腐るもんでもないだろ。春休みだって、もう少ししたらあるしさ」
「わーい! 春休みだ! ウキウキ、ワクワク!」
春仁は大量の買い物袋を持ちながら、本当に楽しそうにはしゃいでいる。今にも踊り出しそうな勢いだった。まぁ、そりゃあそうかと思った。あんだけ長い期間、真剣に勉強し続けて合格したんだから。しばらくふたりで話しながら帰宅し、荷物を一度春仁の家に置くと俺は俺の家へ戻り、春仁は家族と出掛けた。春仁から電話があったのは夜の10時少し前。
「寝てない!?」
第一声がそれだった。
「寝てねぇよ。起きてる。丁度風呂上がったとこ。お前は?」
「今帰って来た! シャワー浴びちゃうから、30分後にピンポンしてくれる?」
「ゆっくり風呂入れば良いだろ」
「いや、蘭と一緒にドラマを見たい! 一刻も早くね! だから、30分後ね!」
「ふふ、うん、わかった。30分後な」
「うん! じゃ、またねー!」
「おう」
もちろん、30分のタイマーを掛ける。でも30分丁度に行くのはいかにも計ってました、って感じがして恥ずかしかった。気にしすぎだろうか。いや、それくらいで良いか。30分経った後、敢えて、5分ほどソワソワと部屋で待ち、ゆーっくりと家を出て、ゆーっくりと春仁の家のチャイムを鳴らす。
「はーい!」
出て来たのは春仁の姉さんだった。背の高い、眼鏡を掛けた綺麗な人。春仁にはあまり似てない。凛とした見た目だが、少し天然で、そこは春仁に似ていた。
「蘭くんだー! こんばんはー」
話し方は春仁である。いや、春仁が姉に似ているのか。
「こんばんは。ハル、いますか?」
「うんうん、上がって! お泊まり聞いてるよ! お布団はもうハルが部屋に持って行ってるはず! ハールー! 蘭くん、来たよー!」
そう二階に声を掛けると、二階からバタバタと騒がしい音が響き、春仁がスウェットとTシャツ姿で降りて来た。
「いらっしゃい」
春仁はへらへらとそう笑いかける。俺は招かれ、部屋に上がると妙な緊張もなく、尽きない会話をして、ドラマを見てはあーだこーだ言い合った。あの展開はアツかった、とか、あの俳優の演技がすごいとか、犯人が全然分からなかった、とか。日付を跨ぎ、深夜2時頃。ドラマを見終え、適当に深夜番組を流し見ていた。
「蘭は進学したら引っ越す?」
そう春仁は首を傾げた。
「そのつもり。ハルは?」
「んー家からも行けないことはないからなぁ。電車で1時間ちょっとだからさ、行けないことはないんだ」
「あー、なるほどね…」
「親と相談してみなきゃだよー。一人暮らし、したいんだけどね」
「大学って明南大だろ?」
「うん」
「ってことは最寄りの駅は明南大前?」
「そうそう」
「俺の住む予定のところ、明南大前まで電車で5分だよ。次の駅だから」
「え!? そうなの!?」
「けっこう近い」
「うわぁーいいなぁー!」
住む場所は本当に偶然だった。春仁の志望校を知ったのはつい最近で、俺が部屋を決めていたのはもっと前だった。欲を言えば、一緒に住むか? と、誘いたかった。さすがにそんな大それた事は言えやしないが、代わりに、「いつでも泊まりに来いよ」と誘ってみる。春仁は「ありがとう!」と嬉しそうに返事をするものだから、俺も心底嬉しくなった。
ただの友達。そう呼ぶには少し窮屈な感情を抱き、俺は高校生活を終えた。とはいえ俺は春仁との関係に何か変化が欲しいわけではなかった。ただ、側にいたかった、それだけ。青春の全ての時間を春仁と過ごしたかった。そんな欲望があるくせに、俺は春仁へ抱く感情をただの友情だと呼び続けた。
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