第31話 閉め出し

父が朝早くから出かけていた

まぁ、そういう時は副業の仕事の方だ

黙ってぷらっと出かける


案の定、母の機嫌が時間が過ぎるに連れ悪くなる


私は友達と遊びに行っていた

一応、門限らしきものがあり暗くなる前には帰っていた


居ない間になにがあったのかしらないが

家に帰りしばらくしたら外に放り出された

そして、玄関の鍵をかけた

『え?』

訳がわからなかったが、それなら裏から入ろうと思い家の裏に回ると

雨戸をすべてドンっと閉められた


靴を履いていなかったので、仕方なくそのまま玄関に座り込んでいた


夜になって少し寒くなった

季節は秋だったと思う


どのくらい時間が経ったのか玄関に電気が付き鍵を開けられた

そして家に入るよう促された


しばらくすると父が帰ってきた


私は寒い中、外に閉め出されていたことを言えなかった


この時から、父のせいだと思うようになった

自由気ままにしている父への怒りのストレスが母をそうさせる


こんな家に生まれてくるのではなかった・・・

いつもそう思っていた

親は選べない、子も選べないのかもしれないが


今の時代であったら、間違いなく母は児童虐待で逮捕されてニュースになっていたな、と虐待のニュースを見るたび思ってしまう

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