第30話 鮮血

ある日、母がトイレにくるよう呼んだ


トイレの便座の中が真っ赤だった

まだ、生理というものを知らなかった


それは驚きと恐怖でしかなかった


『これが生理というもの。血が出たらこれをあてるのよ』

と、ナプキンを見せられた


『あ・・・』としか言えない衝撃だった


今思う、なんて雑な説明だったんだろう

他の女の子の家もこんな感じで教えられたのかな?

まだ、性にはタブーな感覚があったので話をする機会はなかった


大人になるのが怖い瞬間であった


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