第26話

朝─…




目が覚めて隣のベットを見ると、美羽の姿がない。いつもなら俺より後に起きてくる美羽。





なんとも言えない違和感を抱きながらリビングへ向かうと、一人分の朝食が並べられラップがかけられている。




いつも、朝食は一緒に食べているので…一人分しか無いということは…先に、食べたのか?






呆然と立ち尽くす俺の背後で小さな物音がして、慌てて振り返った。





『─…美羽、おはよう』





いつも通り、彼女に朝の挨拶をする。いつもなら「おはよう、楓!ここ寝癖ついてるよ?」なんて言いながら俺に笑いかけてくれる彼女。






なのに、今日は─…





俺を視界に入れることなく、黙って玄関に向かって歩いていく美羽






──え、何?何か…怒ってる?





そこで初めて…昨日の夜の出来事を思い出す。あぁ…そーいえば拗ねたまま寝てたっけ。






翌日まで喧嘩を引っ張るなんて珍しい─…なんて思いながら玄関先で、ヒールの高い履物を履いている美羽の腕をそっと掴む




一瞬…驚いたのかバランスを崩した美羽は、俺の方に寄りかかってきたクセに…すぐに体制を整え、分かりやすく俺を避ける

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