第23話
『──…ハイ、
【今どこっ?!!何時だと思ってるのっ?!】
ヒステリックな声が受話器から漏れるほどの音量で響き渡り、思わずスマホを耳から遠ざける
店長のヒステリックなお説教を聞きながら、片手で消毒薬を開封し、スマホをスピーカーにして消毒薬を傷口にぶっかけた。
『──…っい、』
痛いっ、物凄くシミるっ、、
【─…聞いてるのっ?!どこにいるのか答えなさい】
──…うるさいなぁ、ほんと。
『あの、店長…実は手をケガしまして、』
【──…は?どっち?】
『……どっち?』
【利き手とそうじゃない方!どっち?!】
『─……利き手、です』
【今までありがとう、お疲れ様でした。】
ブツリ、っと切られた通話。あぁ…職を失った
手をケガした瞬間から分かっていたことだ。今までソレが原因で辞めさせられたスタッフをたくさん見てきたから。クソブラック企業滅びろ
「……え、何ですか今のやり取り…まさか、解雇されたってこと…?」
背後から聞こえてきた声に驚き、振り返ると…私が押し付けたジャケットやら消毒薬やらを持ったまま立ち尽くす先程の男
『……なんで、まだ居るの?』
キツく突き放したはずなのに、まさかまだ近くに居るとは思わなかった。
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