第21話
アイリスト─…主にまつ毛エクステやまつげパーマなどをお客様に施術する専門職。
手を負傷したなんて言えば…クビにされそう。いやほんとにブラックなんです私の勤め先。
どんな言い訳をしようか考えながら、そろそろ立ち上がろうと体制を整えた時…突然、横から伸びてきた手が私の負傷した方の手を掴んだ
「──…なぜ、黙ってた?」
なぜ…?いや、そちらこそ"なぜ"居る?
先程万札を私に手渡して去っていったはずのイケメンが、再び目の前に現れて─…
私の手のひらの傷を見て大きなため息をついてから、どこかに電話をかけ始める
「──…おはようございます、専務。申し訳ありません、出勤途中で衝突事故にあってしまい…少し遅れそうです。いえ、私は大丈夫ですが…相手の方にケガを負わせてしまったので、この後─…」
勤め先の上司に連絡…だろうか?何だか勝手に話しが進んでるけど、どう見ても私はただの軽傷だし、この人に付き添ってもらう義理はない
慌てて立ち上がり、私の手を掴む彼の手にお札の束を返却し、頭を下げてその場から立ち去る
──もう、既に恥ずかしい。たくさんのギャラリーがチラホラと存在する…一刻も早く立ち去りたかった。お金なんて要らない。どーせこの後クビになるし出勤することは無い。服だって洗えばなんとかなるし、もう早くここからっ
「─…待って、まだ示談が済んでいない。後で会社を訴えられたりしたら専務に迷惑がかかる。そうなると困る…ちゃんと話し合おう」
─────は?
っえーと、なんの話し?
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