第19話
バンッと思い切り音を立ててリビングを出た。その瞬間に後悔する。あぁ…また嫌われたって
少し歩いてから振り返るけど、楓が追いかけてきてくれるなんて甘い展開はない。
寝室に入ってベットに横になる。シングルのベットを二つくっ付けてあるから…キングサイズ程の広さのベット─…隣で楓が眠りにつく頃にはきっと、私は夢の中に堕ちているだろうから
『─…っくそ、重た、、』
真夜中に1人、ベットをズリズリと引きずって動かし─…ピッタリとくっついていたベットを離した。
─…あーあ、ほんと可愛くないなぁ私って。離れ離れになったベットにゴロンと横になって、空いてしまった隙間を見て…少し笑えた。
私と楓の距離なんて、元々こんな感じだった。いつだって楓は、どこか線引きして壁を作っているような…そんな人だった。好きになったのは私。冷たくあしらう彼に付きまとい、逃げられないように迫ったのは…私。
『ごめんね、かえでっ、』
楓はほんとは、私のことを好きな訳じゃないって知ってるんだ。専務大好き人間の楓…人に興味のない楓…多分私と一緒にいるのは都合がいいっていうのと、ほんの少しの罪悪感。その程度。私と楓の関係なんて…所詮その程度なんだ
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