第12話
「か、かかかか楓ちゃんっ?!なに、してっ」
『勝手に傷ついて、勝手に無かったことにするの…やめて?俺に何の報告もないの?美羽』
何のことを言われているのか分かったのか、美羽は大人しくなって黙り込む
「──ごめん、私の身なりが楓に相応しくないからっ…そんな風に見えたんだと思うっ」
そんな、話をしてるんじゃない。
「ムカついて副社長のプライベート…ベラベラ話しちゃったし。楓に嫌われるようなこといっぱい、心の中で思った。ごめんね、楓。私のこと…嫌わないでっ、」
専務のことを口外…するほど、美羽は専務のことを知らないだろ?プライベート…なんて、どうせ妄想で作りあげた専務の悪口でも言ったのだろう。それは…褒められた行動ではないね。
──…でも、まぁ、
『嫌いな人間に、こんなことシない。』
俺は元から人間に対してあまり深い感情を抱く方ではない。それは恋愛に限らず、友情や人情…そういう"人として"の感情が欠落していると自他ともに認める冷めた生き方をしてきた
だから、自分自身…目の前にいる女性…美羽に対して抱く感情は全てハジメテで。何度も彼女を泣かせてきた。本当に、何度も何度も。それでも自分と一緒に居たいと言ってくれる尊い女性を、自らの手で手放すなんてことはデキない
デキるはずが、ない。
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