第11話

午後23時47分─…




彼女と同棲している部屋に帰宅した俺は、真っ先にリビングへ足を運ぶ。






『……間に合わなかった、か』





リビングのソファで丸まって眠ってしまっている彼女を見て、申し訳ない気持ちになる





ふとダイニングテーブルに目を向ければ、美味しそうな夕飯が並べられていて…心が満たされる






「……んっ、あれ…楓、今帰ったの?」




立ったまま、美羽を見下ろしている俺を見て不思議そうに目を丸くした彼女は、






「──おかえりなさい、今日も安定のブラック企業ぶりだったね!パシリの小山内さん、お疲れさまでしたっ!」





なんて、明るく笑って俺の夕飯の支度をしようと起き上がる





そんな美羽を、そっと捕まえて抱き締める。

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