第10話

美羽と別れたあと上司の元へ向かう楓は、、





途中で"チーズケーキ"のお店からの着信に気が付き、何事かと通話ボタンを押す。





「──…はい、小山内ですが、」




聞けば…先程俺の彼女、美羽にトンデモない失言をしてしまったという内容で。聞いていて気分のいい内容では無かったのですぐに通話を終了させて深くため息をつく。






──…なぜ、言わなかった?





専務と奥さんの話を俺に尋ねる前に…なぜ自分が酷い扱いを受けた話をしない?それに、"お詫びの品"ってなに?店側に何か持たされたのを俺にバレるのが嫌でどこかに隠してきたの?





『──呆れて、言葉が出てこない、』






自分自身に対して…物凄く、呆れる。きっと家に帰っても美羽は自分から今日あった出来事を話すことは無いだろう。あの子はそういう子だから。だから…そばに居て欲しいと思った。

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