第4話
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彼ピ♡楓ちゃん
【今日の服装、150点満点。可愛かったから、
俺が隣に居ないところで着るの禁止。】
きゅん、なんて…してないからな?!何言ってんだよ万年パシリのくせにっ!可愛いとかっ、思ってたなら直接言ってよ、バ.カエデ。
私のことを繋ぎ止めるのがとっても上手な有能秘書…楓ちゃん。塩顔で爽やかな彼は彼女の私にも塩対応。塩でしかない、もはや岩塩レベル
塩顔、塩対応、岩塩レベルの私の彼氏…せめてスマホの中だけでも可愛くあれ…っと願いを込めて私のスマホの中の楓は【彼ピ♡楓ちゃん】
と登録されている。
ざまあみろ、塩顔岩塩。私に"彼ピ"なんて心の中で呼ばれているなんて夢にも思っていないだろう、有能秘書小山内さん?
なーんて、心の中で悪態をつきながら…寒空の下、動画配信サイトで映画を一本見終わった頃、ようやく私の順番が回ってきた。
『──ホールのチーズケーキひとつと…、』
うわ、このチーズケーキ1万円もするのっ?!副社長の奥様は好みのケーキまで高価なんですね。どうせ主婦だろ。家で焼いて待ってろよ。
「お、お客様?」
店員に声を掛けられてハッと我に返る。危ない危ない、また副社長夫婦(会ったことはない)の悪口を心の中でついうっかり──…
『あぁ…それだけで大丈夫です、支払いは…これで。』
楓に渡された副社長のクレカを手渡す。
しばらくして──…
「──お客様、少しよろしいでしょうか?」
裏から出てきたと思われる、支配人…?オーナー、店長、、そんな肩書きを持っていると思われるようなスーツ姿の男性に呼ばれた。
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