第50話

「あの例の図書委員のことを好きな男子が、楓羽の代わりに行ってくれることになったみたいだよ。良かったね、楓羽」



『あ、そーなんだ…ラッキー。これで吏菜を心配させなくてすむ』



「……メルヘンサイコの差し金だったりして」




いや、まさか。吏菜がそんなことするはずないだろ…何言ってんのこの人、バカなのかな?




「ってかさ、お前それ何…?」



『ん?それって、どれのこと?』



「いや、だから…それ。」




……あぁ、もしかしてこれ?




『吏菜が、着けて行けって言うから。』



「…あのさ、さすがにヤバいと思わないの?」



『─…なにが?』



「何がってそれ、手錠っ、」




貴弘が何か言うよりも先に、突然後ろから目隠しをされて…俺と貴弘の会話が一時中断する。

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