第42話

俺たちがいたのは3階。そこから投げられたとなると…散らばって大変なことになっているかと思われた弁当だったが─…




『……マジで、ありがとうっ!!』




サッカー部でキーパーをしている友人がたまたま下で弁当を食べていたらしく、上から降ってきた弁当箱をキャッチして死守してくれていたというから驚き。




無傷の弁当箱を大事に抱えて、一人その場で座りこんで吏菜の作ってくれた弁当を味わって食べる。




──あぁ、幸せすぎる。




美味すぎて一生飲み込みたくない。さっきまでの吐き気やダルさが一気に解消されていく。吏菜の愛情がこもった手料理は、俺の体調不良まで治してくれるのだから…本当にすごいよ。




米粒ひとつ残さず完食して、丁寧に弁当箱を片付けた俺。幸せに満たされて教室へと足を運ぶ姿を─…3階の窓から吏菜が嬉しそうに見ていたなんてことは…俺が知るようなことではない。

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