第37話

結局、午前中の休み時間に吏菜が俺のクラスに姿を見せることはなくて─…昼休みを迎える頃には俺のメンタルは既にボロボロ。




「まぁ、もう既に死んでるんだから…突撃したところで今以上に傷つくこともないだろ。会いに行ってみれば?」




他人事だと思ってお気楽に菓子パンをかじりながら、吏菜に会いにいけとすすめてくる貴弘。確かに今以上に失うものなんてないような気もする、、心からもう一度謝れば…吏菜は許してくれるかもしれない。





『会いに、行ってみる』



昨日渡せなかった、吏菜の好きなチョコレートをズボンのポケットに忍ばせ吏菜のクラスへと足を運ぶ。




「グッドラック〜!!」




なんてふざけた声援を貴弘から受けながら教室を出たところで─…




「…あ、楓羽!!」



一人の男子生徒に声を掛けられた。



『んー?なに?』



名前を思い出せないが、確か吏菜と同じクラスに居たような…気がする。

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