第29話

『っあ…あの、吏菜、、』



「ここは私のテリトリーだから、ふーくんが勝手なことをするのは許さない」





………テリトリーって?





「勝手にベッドから降りたら三日無視する」



『……え?』



「許可なくスマホ見たらそのままトイレに沈めて水没させる。」



『……なんっ、』



「楓羽がこの部屋を出る時は常に吏菜と一緒に行動するの。トイレにも勿論ついて行く…ドアの前まで」



『待って、りなっ』



「だって楓羽、吏菜に黙って女の子と図書室で密会しようとしてたんだよね?やっぱりあれはどうしたって許してあげられないよ」



『ちがっ…話そうと思って、』



「ふーくん?あのね?嘘つきは泥棒の始まりなんだって。知ってた?ふーくんが警察に捕まる前に吏菜が保護、してあげるね?」




そう言って笑った彼女を見て初めて─…




貴弘が言った言葉の意味が分かった気がした。




【お前の彼女、異常だよ】




俺の彼女吏菜は─…もしかしたらほんの少しだけ人より変わっているのかも、、しれない。

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